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【咲 -Saki-】 須賀京太郎カプ統合スレ 8 (現行スレ) h8-1 須賀家(久)・宮永姉妹 h8-2 京・咲・照 海辺 h8-3 京・咲 h8-4 京・和・はやり (h7-72の続き) h8-5 京・淡・尭深 h8-6 京・咲 h8-7 京・まこ 10年後 h8-8 京・灼・玄 呼び方 h8-9 宮永姉妹と遊園地 h8-10 京・松実母 h8-11 京・優希 ハロウィン h8-12 京・咲・穏乃 h8-13 京・咏 誤変換 h8-14 京・憩 ハロウィン h8-15 京・灼 h8-16 京・和 h8-17 京・灼 ボーリング h8-18 南浦さんと沖縄で h8-19 清澄・阿知賀 京太郎争奪 h8-20 京・怜 いちゃいちゃ h8-21 京・久 h8-22 京・咲 h8-23 京・戒能 監督と教え子 h8-24 男子+女子高校生の日常 h8-25 竜華と怜とイチャイチャするだけの話 8 h8-26 京・透華 あげぽよ~ h8-27 京・龍門渕 (h-8-26の続き) h8-28 京・穏乃 h8-29 京・春 黒糖 h8-30 京・咏 横浜 h8-31 京・久 おさげ h8-32 京・健夜・咏・戒能・はやり 女子会+1 h8-33 シャープシュートのご褒美 h8-34 京・戒能 (h8-23の続き) h8-35 京・小蒔 デート h8-36 すこやんのサプライズ誕生日会 h8-37 京・小蒔 h8-38 京・純代 h8-39 京・智紀 声つながり h8-40 たかみーのおもち h8-41 京・春 雷雨の夜 h8-42 京・健夜 h8-43 京・灼 h8-44 京・和 ネットの評判 h8-45 京・ゆみ 出会い h8-46 京・セーラ・怜・竜華 学ラン h8-47 京・和 バスケット h8-48 京・憧・穏乃 仲良し3人 h8-49 京・淡 学生生活 h8-50 うさぎちゃんとアリスくん1 h8-51 うさぎちゃんとアリスくん2 h8-52 うさぎちゃんとアリスくん3 h8-53 京・菫 h8-54 京・モモ h8-55 京・セーラ サラシ h8-56 京・池田 池田家にて h8-57 京・池田 帰り道にて h8-58 京・久 理想のおもち h8-59 京・洋榎 デートの誘い? h8-60 京・モモ (h-8-54の続き) h8-61 京・まこ 結婚式 h8-62 生き別れの姉? h8-63 京・新道寺 あらすじ風 h8-64 京・照・咲・淡 利きシャンプー h8-65 京・和 魅力 (h-8-47の続き)
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京太郎(蛍光灯と単三電池と……よし、これで買い出しは終わりだな) 京太郎(さっさと帰ってタコス買っていかないとまた罵詈雑言が浴びせられるんだろうなぁ) 京太郎(お、ゲームコーナーか……) 京太郎(麻雀始めてから、ゲームやってねぇなあ) 京太郎(中学の頃はあんなに夢中になってたのに……) 京太郎(ちょっと覗いて行ってみるか) 京太郎(おぉ、コレ新作出てたのか……主人公変わってね? タイ人みたいだな) 京太郎(うーん、この空気に触れてしまうと、買わずにはいられなくなってしまう……) 京太郎(ベスト版でも買ってくかな) 京太郎(アクションはハマると極めるまで抜け出せなくなるし、クリア前にブランクあけちまうとリハビリが必要だしな) 京太郎(RPGか……アドベンチャーもいいな) 京太郎(いっそギャルゲーでも……お、これなんか良さそうだな) 京太郎(『アカイイト』か……『少女の視点で体験する和風伝奇ホラー』?) 京太郎(ホラーなのか……弟切り草みたいな感じか?) 京太郎(っていうか主人公女なのか? じゃあ恋愛ものじゃないってことか) 京太郎(主人公女が女で他のキャラも女……珍しいな) 京太郎(よし、値段も手頃だし、コレにすっか) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 京太郎「なるほど……」 京太郎(田舎に住んでる人間には、別段珍しい光景じゃないな……) 京太郎(それにしても、今のところはホラー要素が見当たらないな) 京太郎(不気味な洋館が出てくるわけでもないし、何か変なものを見かけるわけでもないし……) 京太郎(もうちょっと進めないとわからんな) 京太郎「うお……吸われてる……」 京太郎(首から出血って、結構やばいんじゃね?) 京太郎(…………っていうか、なんか) 京太郎「……エロいな」ボソッ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ~次の日~ 咲「おはよう京ちゃん……なんだか眠そうだね」 京太郎「あぁ……ちょっとな……」 咲「もしかして、また朝までゲームしてたの?」 京太郎「なんでわかるんだよ……」 咲「去年までそんな感じだったし……最近はそうでもなかったけど」 咲「で、今度は何のゲームしてるの?」 京太郎「あぁ……まぁ……」 咲「……ひょっとして、エッチなやつ?」 京太郎「なっ!? ち、違うぞ!」 咲「……」ジトッ 京太郎「うっ」 咲「……ちゃんと寝ないで授業受けるんだよ」 京太郎(マズイ……今の反応は図星っぽかったか……) 京太郎(それにしても……やはりユメイさんは最高だな) 京太郎(あの包容力あるキャラ、胸も結構ありそうだし) 京太郎(……だが) 京太郎(今までのゲームのキャラに対する感じとは…………何かが違う) 京太郎(なんだろう、これは) 京太郎(なんていうか、その……何なんだろうなぁ……) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ―部室― 京太郎(面白かったんだけど、未だに消えないこのモヤモヤ感……) 京太郎(これは一体……)モンモン 和「ここのターツは愚形ですから、この場合は……」 咲「へぇ……そっか、そっちのほうが確かに確率は……」 咲「やっぱり原村さんの教え方はわかりやすいね! さすが原村さん!」 和「そ、そんな……こと///」 京太郎「……」ピク 京太郎(今の和……咲に褒められて照れてる、のか) 京太郎(そういえば今までも結構そういうことが……) 京太郎(なんていうか……なんかイイな……こういうの) 京太郎(何が、っていうのは、よく分からないけど……) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 京太郎「う、烏月さんが……そんな……」 京太郎「アカイイトって……こういう意味だったのか……」 京太郎(ええい、やり直しだ! こんな結末納得できるか!) 京太郎(待ってろよ桂! 必ず俺が幸せにしてやるからな!) 京太郎「…………ん?」 京太郎(……そうか、俺はこの主人公に自分を投影してるわけじゃないのか) 京太郎(純粋に桂とその他のキャラが関わり合っているところが見たいだけで……) 京太郎(ユメイさん単体じゃなく、ユメイさんと桂の関係が好きだったんだ……) 京太郎(いや、でもコレっておかしいか?) 京太郎(……いや、漫画でも男同士の熱い友情に感動することあるしな、うん) 京太郎(問題ない、ゲームを続行する) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 京太郎(ふふふ……ざまあみろ……主だかなんだか知らんがな……)フラフラ 咲「ねぇ京ちゃん……また徹夜したの?」 京太郎「おう……まぁな」 咲「流石に二日連続は……ちゃんと寝ないとダメだよ?」 京太郎「あぁ……とりあえずあと二人だからな……それが終われば……」 咲「え?」 京太郎「! い、いや……なんでもない……」 咲「?」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ―部室― 和「……」タン 咲「え?」 和「なんですか、咲さん?」 咲「えっと……その……」 咲「も、もうちょっとソレ持っといたほうが良かったかなぁって……」ヒソヒソ 京太郎(咲が和の耳元で……)ボケー 京太郎(構図的に、なんだか咲が和の血を吸ってるみたいに……)モンモン 京太郎(咲と……和が……) 京太郎「!?」 京太郎(お、俺は今何を……) 京太郎「うおおおおおおおおおお!!」ガンガンガンガン 久「ちょっ……何してるの須賀くん!?」 優希「気でも狂ったのか!?」 京太郎「いえ……ちょっと煩悩を……」ゼェゼェ 咲「京……ちゃん?」 京太郎「いや、大丈夫だ……」 咲「やっぱり寝不足で疲れてるんだよ……ちょっと寝てたほうがいいよ?」 まこ「寝不足?」 咲「京ちゃん、二日連続で徹夜でゲームしてて……」 和「どうしようもないですね」ハァ 久「須賀くん……今日はもういいから、とりあえずそこで寝てなさい」 京太郎「いや、でも」 まこ「また机にヘドバンされるのは迷惑じゃ」 京太郎「……はい」 京太郎(そうだよな、寝不足でおかしくなってるんだ) 京太郎(寝て起きれば、今の変な妄想も消えてる……さ) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 京太郎(結局今日も徹夜してしまった……) 京太郎(しかし、これで一応すべてのキャラのエンディングは見たわけだ) 京太郎(あとはエンディングとCGをコンプリートするだけだが……面倒だしネットで攻略情報見るか)カチカチ 京太郎「……ん?」 京太郎(アオイシロっていう続編もあるのか……) 京太郎(…………明日買いに行くか) ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ~翌日~ 京太郎「なんだこれ……完璧にキスしてんじゃねぇか……」 京太郎(た、確かにそういう人がいることは知ってるが……)ドキドキ 京太郎(し、しかし一般的なゲームでこういう描写は……)ドキドキ 京太郎「……進めよう」 チュンチュン チュンチュン 京太郎「終わった……もう朝か」 京太郎(なんかコピペしたようなEDとバグっぽいのも見られたけど、よかったな、うん) 京太郎(それにしても、あのキスシーン……どういう評価されてるんだ?) 京太郎(出かける前にネットで調べてみるか……) 京太郎(えっと……ん? 『三大百合ゲー四天王はアカイイト、処女宮、あとひとつは?』って……) 京太郎「…………百合? なんだこれ?」 槓
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364050545/ 京太郎「……あれ?」 京太郎「ない!ないない!アレがないぞ!」 京太郎「ちょっと待て!身長も低い気がする…、ってか胸」 ぷにょん 京太郎「……」モミモミ 京太郎「……俺、女の子の胸とか触った事ないけど多分これがおもちだ」モミモミ 京太郎「落ち着け落ち着け…。クールになれ須賀京太郎」 京太郎「昨日の夜までは…、普通だったよな?」 京太郎「確か…」 和『須賀君、クッキー作ってみたんですけど試食して貰えませんか?』 京太郎『和が俺に?何の冗談だ』 和『じっけ…いえ、たまたま作りまして。ほら、今日は咲さんがお休みじゃないですか』 京太郎『確かに咲は休みだが…。優希とか居るけど』 和『須賀君に食べて欲しいんです!ぜひ!ぜひぜひ!』 京太郎『い、頂くよ。和の手作りとか珍しいからな』カリッ 和(食べましたね!)ニヤリ 京太郎『結構美味しいぞ』ポリポリ 和(効果が出るのは12時間後。とある病院で開発された性別反転キノコを使ったクッキーです) 和(もし…、これが成功すれば咲さんから咲君になって、咲君は私の体の虜になるはずです) 和(男の子は大きいおもちが大好きですからね。須賀君の視線もいつもおもちばっかりですし) 和『えーコホン。明日は必ず部活に来て下さいね』 京太郎『風邪でも引かない限り行くつもりだが?』 和『風邪引いても来て下さい!お願いしますね!』ギロッ 京太郎『お、おぅ…。今日はいつになく優しいな』 和『須賀君は清澄麻雀部に欠かせない存在ですからね』ポッ 京太郎(これは…、脈ありなのか…。優希すまん!お前に悲しい報告をする日が来るかもしれねぇ) 須賀家のトイレ 京太郎「やっぱりチ○コないわ」cv井上麻○奈 シャアアアアア、ブリュブリュュ 京太郎「オシッコしようと思ったらウ○コまで出たぞ!?女の体って不便だなぁ」 京太郎「……」フキフキ 京太郎「あんまりグロいから見たくないな。ちくしょう!モザイクの向こう側はこんな世界だったのかよ!」 京太郎「とりあえず部長に相談してみるか。学校行こう」 33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 02 17 18 ID 9roUFHEs0 部室 京太郎「ちわー」ガチャ 久「あら?見かけない顔ね」 まこ「もしかして入部希望者かの?」 京太郎「いや…、俺…」ゴニョゴニョ 久「一年生誰か!お茶と和菓子の用意を」 咲「は、はい。今すぐ用意して来ます」タッタッタ 咲「お茶もお菓子もどこに仕舞ってあるのかなぁ…。普段は京ちゃんが全部やってるからわかんないよー」ゴソゴソ まこ「困ったの。優希、買いに行ってくれるか?」 優希「ラジャー」 京太郎「あの…、お茶なら白糸台の渋谷さんが送ってくれた玉露がまだありますし」 咲「え?」 京太郎「そこの戸棚の左奥だよ」 咲「こんな所にあったんだ」ゴソゴソ 咲「ど、どうぞ粗茶ですが…」コトッ 京太郎「…どうも」 京太郎(やっぱり気がつかないのか) 久「それで貴方は何年生なのかしら?麻雀部は見学に?」 京太郎(いつもいいように使われてるし、たまには仕返ししてやるか…) 京太郎「い、一年生の山田花子と申します」ペコリ 京太郎「麻雀は点数計算とか出来ない素人で、初心者です」 久「うんうん、麻雀の点数計算は難しいものね。初心者とか全然気にして無いから」ニコッ まこ「そうじゃ、私らがいくらでも教えてやるわい」 京太郎「えー、お…私に出来るかなぁ~」 京太郎(女と男でなんでこんなにも態度が違うんだよ!) 京太郎、男の時 久「須賀君さー、まだ符計算覚えてないわけ?」 京太郎「はい。俺の練習相手ってネトマだから覚えなくても問題なくて」 久「そんなんで上手くなれるわけないでしょ!ほら、紙にでも書いてチャチャと覚える」 和「符計算くらい覚えて貰わないと清澄麻雀部の一員である資格なんてありませんよ」 京太郎「えぇ~」 京太郎「どうしようかな~」悩むふり 久「ね、ね、お願いよ。実は私が卒業して清澄麻雀部の部員が4人になるの」 咲(京ちゃん入れて5人ですが) 京太郎「そんな事言われても私には関係ないし~」 久「全国大会団体戦は5人居ないと出場出来ない。来年、新入部員が入って来る保証もない」ジリジリ 京太郎(女)との距離を詰める久 久「私で良かったら…、何でもするからさ…」サワッ 京太郎(なんか知らんが手を握られた) 京太郎「何でもですか?」 久「金銭的相談以外ならね」ウィンク まこ(あーあー、安請け合いしよってからに) 京太郎「コホン。じゃあ、おもちタッチいいですか?」 久「へ?」 京太郎「おもちタッチですよ。同性ですし、別にいいかなって」 久「うっ…、胸を触らせろって事ね///」 京太郎「はい、触らせて貰えたら入部を考えます」 久「胸かー。胸をねぇ…」ウーム まこ(一応、初対面なんじゃが…) 咲(でも全国大会にも居たなぁ…、そんな女の人) 玄『和ちゃん、お久しぶりですのだー』モミモミ 和『玄さん!?』 久『誰?和の知り合い?』 玄『清澄の部長さんですね?初めまして、和ちゃんの幼馴染の松実玄です』モミモミ 久『…触っていいって言ってないけど?』 玄『これは奈良式の挨拶でして』モミモミ 久『……ふーん』 玄『私のおもちも触りますか?』ズイ 久『結構です』 玄(Cカップですか…。清澄のおもち力は全国でも下から数える方が早いですね) 玄(後は…)チラッ 咲「それでね、そのドラマの女優さんが…」 優希「へぇー、ごり押しじゃないのか」 まこ「最近よくCMで見るのぉ」 玄(さて、次の学校に行きますか) 京太郎(女の人なら初対面でも胸を揉んでいいのか…。男なら即警察行きだからなぁ) 咲「そんな事があったな。後から聞いたら松実さんは大のおもちマニアだとか」 まこ「なーに一人でブツブツ言ってるんじゃ」 京太郎「で、どうしますか?俺、麻雀は初心者ですが料理、裁縫、日曜大工。雑用なら何でも器用にこなせますよ」 久「…うーん。欲しい」 久「ふ、服の上からよね?///」 京太郎「今日の所はそれでいいです」 久「減るもんじゃないし…、いいわよ///」コクン 京太郎「では、触ります」フニフニ 久「んっ…、んふっ…」 京太郎(うーむ、柔らかいけど大きさがなぁ…。俺の方が大きいかもしれん) 京太郎「……」モミモミ 久「あっ…、あん!た、タッチって言ったじゃない!?」 京太郎「失礼しました、つい考え事をして」ペコリ ガチャ 和「おはようございます」 久「で、これが入部届ね。約束は守って貰えるのよね?」 京太郎「はいはい、もちろ…」 和「須賀君ですか?」 京太郎「ぎくっ!?そそそそ、そんなわけあるか!俺は女だぞ」 京太郎「須賀君は男じゃないか!」 和「……」ジトーーー 久「入部届ありがとう。あら?山田花子さんじゃないの?」 咲「須賀京太郎って書いてますけど…」ジトー 優希「おい、山田。お前の持って来た鞄を見せるじょ」ヒョイ 勝手に京太郎の鞄を取る優希 優希「……」クンクン 優希「これ、犬の家の匂いだじぇ!?」 久「きゃあああああああああ!」 まこ「おぬし、京太郎か!」胸倉掴む 京太郎「マジすいません!ほんの出来心で…」ブルブル 咲「最低だよ、京ちゃん」 和「ホントに最低ですね」プンプン ・ ・ ・ 久「で、言い訳とかあれば聞くけど?」ムスッ 京太郎「来年も清澄の雑用係として末席に置いて下さい」ドゲザ 久「ったく。男の子に胸触られるのとか初めてだつーの!」 咲「ホントに京ちゃんなの?」 京太郎「信じられないかもしれないが、須賀京太郎だ。起きたら女になってた」 和(実験は成功ですね)ニヤリ 久「いくつか質問をしましょう。他校から送られてきたスパイかも」 まこ「まぁ…、わしらは仮にも全国大会で優勝したチームじゃしな」 優希「京太郎の事は私が一番詳しいじぇ。おい、花子。私の質問に答えろ」 京太郎「花子じゃねーよ!」 ・ ・ ・ 優希「あっ、間違いないじぇ。この花子は、京太郎だ」 咲「だよねぇ…。私と京ちゃんの中学時代の事まで知ってるなんて」 和(咲さんの中学生時代の話が聞けて貴重でした) 京太郎「信じて貰えましたか?」 久「次は本当に女になったかをチェックね」 咲(胸、どう考えても私より大きい!こんなのってないよ)ズーン 京太郎「ははは…、女の体って不便ですね。体力は絶対落ちました。筋力もですけど」 久「私は貴方の体を触る権利あるわよね?」 京太郎「た、多少は」 久「ふふっ…、少し楽しみね。さぁ、須賀君そこのロッカーに入りなさい」 京太郎「は?」 ギィィィィィ まこ「どうぞ、ごゆっくり」 京太郎「……」ビクンビクン 久「ふぅ、一仕事終えたわ」フキフキ 咲「部長、本当に女の子でした?」 久「間違いないわね。身長169cm、体重49kg、BWHは90-62-92」 久「清澄では和に次ぐナイスバディーよ」 優希「犬の癖に生意気だじぇ」 咲「京ちゃんいいなぁ…。私もバスト90とかなってみたい」シュン 和(咲さん、安心して下さい。私がもうすぐ咲さんをバスト(胸囲)90に変えてあげますからね) そして京太郎が女のまま夏がやってくる 県大会予選 まこ「いいか。優希で稼ぐ。そして次鋒の京太郎に繋ぐ」 京太郎「は、はい」 優希「私が他校を飛ばしてしまってもいいんだじぇ?」 まこ「もちろん。京太郎はあくまで防御にこだわるんじゃぞ」 京太郎「はい、ベタ降りの練習はずっとして来ましたから大丈夫です」 咲「京ちゃん、何点取られても気にしないでね」 和「私達が取り返せばいいんです」 京太郎「おぅ。お前らに任せた。俺は飛ばされない事だけを考えて打つよ」 優希「大丈夫だじぇ。半年間私と咲ちゃんの東場で練習して来たじぇ。もうちょっと自信持つじぇ」 パーン 京太郎の腰を叩く優希 京太郎「いてて…」 まこ(次鋒は火力が高い選手が少ないからの。大丈夫じゃと思うが…) まこ(久が居ない分、去年より確実に厳しい。しかし、京太郎が女になってくれたおかげで県大会出れたんじゃ) まこ(京太郎に感謝せんと) なお県大会優勝は龍門渕 10年後 京太郎「おっ…、動いた!」ドクン 優希「私も動いたじぇ。流石双子」 和「双子なんですかね?まぁ…、母体が違うだけで遺伝子は同じですからね」 京太郎「しかし、和には感謝してるぜ。iPS細胞での女性同士の妊娠。滅茶苦茶お金かかるからな」 優希「何年かかってもお金は必ず返すじぇ」 和「気にしないで下さい。私は須賀君にとても感謝してるのです」 京太郎「俺に?」キョトン ?「京ちゃんも優希ちゃんもお腹大きくなったねぇ~、久しぶり!」 京太郎「お前、咲か!?ヒゲ似合ってねーなー」 咲「むっ?厳つい感じを出したかったのに…」 優希「咲ちゃんはカワイイ男の子だから、ヒゲなんて辞めといた方がいいじぇ。イチローって言うかムネリンタイプ」 和「世界大会はどうでした?」 咲「ごめんね、負けちゃった」エヘヘ 京太郎「ニュースで見たぜ。監督の指示ミスなんだよな?」 咲「違うよ。私の責任。ちょっと焦ってリーチかけちゃったのが原因」 優希「ネットでは戦犯とか言われてるけど、気にする事ないじぇ」 和「当たり前です!咲さんは日本を代表して戦ってたんです、リーチかけて直撃振り込んだからって戦犯だなんて…」 咲「事実だよー。大将だからね、責任は取らないと」 咲「和ちゃん、ごめんなさい。坊主にして来ました」ぺっこりん 帽子を取って坊主頭を見せる 和「咲さん」ウルウル 咲「私の事、嫌いなった?」 和「……」フルフル 和「坊主頭くらいで嫌いになれるわけないです」 咲「良かった。そうそう、日本に帰って来たらね…。ホントは勝って言うつもりだったんだけど…」 咲「け、け、結婚しませんか?」 和「喜んで」ニコッ 京太郎「おおっ!ついに咲が…」 優希「明日の朝刊の一面は決まりだじぇー。染谷先輩や竹井先輩に報告しないと」 こうして女になった京太郎は末永く優希と暮らしました。 男になった咲さんも、末永く和ちゃんと暮らしましたとさ 終わり
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1372845067/ 京太郎「……飛びました」 優希「またー!?ほんとに犬は弱いじぇ!」 和「こら、優希」 久「あはは、須賀君たら駄目駄目ねー」 まこ「そう笑ってやりなさんな」 久「それじゃ、咲と交代して須賀君は買出しお願いね」 咲「ごめんね京ちゃん」 京太郎「はい、行ってきます」 スタスタ ガチャ バタン 京太郎「…………はぁ」 ―須賀邸― 大沼『……ツモ』 『決まったー!!大沼プロの優勝です!!』 <ワーワー 京太郎「……」 京太郎「…………はぁ……」 京太郎(なんで俺はこんなに麻雀が弱いんだろうな……) 京太郎(最近はずっと麻雀の勉強してるんだけど……強くなった気がしない) 京太郎「……才能、無いのかな」 京太郎(…………それに、正直……清澄の顔に……俺が泥を塗ってる気がする) 京太郎(皆は団体や個人戦で良い成績収めてるのに、俺は一回戦敗退) 京太郎(これじゃ来年は男子麻雀は和や咲目当ての奴しかこないんじゃねえか?) 京太郎(実力のある奴は皆俺を見て清澄に見切りつけて風越に行っちまうんじゃ……) 京太郎「……はぁ」 京太郎「………………部活、やめちまうか……」 ―翌日― 京太郎「……ふぁあ……」 咲「あれ、京ちゃん。おはよ」 京太郎「ん?ああ、咲か」 咲「眠そうだね?」 京太郎「ん?はは、まあな」 咲「……?」 京太郎「?どうした?」 咲「ううん……なんだか、元気ない?」 京太郎「……」 京太郎「いんや?元気過ぎて困るくらいだぜ?」 京太郎「ちょっと寝不足でさあ、まぁ授業中寝れば大丈夫だ」 咲「もう、駄目だよ!授業中に寝ちゃ!」 京太郎「ははは」 京太郎(……わりぃな、咲) ―3年教室― 「竹井さーん」 久「んー?なにー?」 「一年生の男の子が来てるよー」 久「一年生の……?あ」 京太郎「……」ペコ 久「わかったーすぐ行くわー」ガタ ―廊下― 久「おはよう、珍しいわね。須賀君が会いに来るなんて」 京太郎「……いきなりすみません」 久「いいわよ別に。で?どうかしたの?」 京太郎「……えっと」ゴソゴソ 京太郎「…………すみません、コレを」スッ 久「ん?何ー?まさかラブレター?」 久「………………――え?」 【退部届】 京太郎「……すみません、急に」 久「……え」 久「冗談、とかじゃ……ないの?」 京太郎「……すみません」 久「……」 京太郎「……」 久「……考え直してくれたり……しないかな」 京太郎「……御世話になりました」ペコ クルッ 久「あ!ちょっと須賀く――……」 京太郎「……」タッタッタ タッタッタ…… 久「……行っちゃった……」 久「……………………困った、わね……」 スタスタ 優希「情報技術の授業は楽だからいいじぇー」 和「そうですね」 タッタッタ 優希・和「え?」 京太郎「……」タッタッタ 優希「おう!犬っころ!」 和「あ、こんにちわ須賀く――……」 ビュン 京太郎「おう、じゃあな二人とも!」タッタッタ 和「わわ、廊下は走っちゃ駄目ですよ!!」 タッタッタ…… 和「……行ってしまいました」 優希「何を急いでたのか」 タッタッタ 京太郎「……」 京太郎(少し……後ろめたいけれど……これでいいんだ) 京太郎(麻雀だったら……雀荘でも、ネットでもできるし) 京太郎(元々、和に憧れて入った部活だし……もういいんだ) 京太郎「……」 タッタッタ 京太郎「……これで、いいんだ」 ガタッ!! 京太郎「あぐっ!!?」 ドターン 京太郎「っ……!いてて……!」 京太郎(……な、何も無い所で転んじまった……?) 京太郎(でも、何か足に引っかかったような感触が……) ―帰り道― スタスタ 京太郎「……」 京太郎(結局……みんなには何も言わずに帰ってきちゃったな) 京太郎(皆怒るかな……いや、変わりなさそうな気がする)ハハ 京太郎(でも、咲には怒られそうだな……『誘ったくせにやめるなんて最低』とか) 京太郎「……」 京太郎(咲にゃ悪い事したな……) 京太郎(待ってろよ、すぐにすっげー強くなって……お前相手に飛ばないように、いや) 京太郎(お前に勝てるくらい強くなって、お前を楽しませてやるからな……!) スタスタ 京太郎「……」 スタスタ 京太郎(……ん?) クルッ 京太郎「……」 シーン…… 京太郎(……気のせいか?) クルッ スタスタ 京太郎「……」 スタスタ スタスタ 京太郎「っ!」バッ!! シーン 京太郎「……」 京太郎(…………おかしい) クルッ タッタッタ 京太郎「……っ」 <タッタッタ 京太郎「!」 京太郎(やっぱりだ)チラッ <タッタッタ 京太郎(誰か後をつけて来てる……!) ピタ 京太郎「……」クルッ シーン…… 京太郎「……咲……か?」 京太郎「……」 京太郎「優希……?部長……?」 シーン…… 京太郎「……」 京太郎「……染谷先輩……?」 京太郎「…………まさか、和ってことは……」 シーン…… 京太郎「……」 京太郎(……何も返事が無い) 京太郎(小学生のいたずらか何かか……?) 京太郎「……」 京太郎(…………とにかく、帰るか……) ピタ 京太郎「……ん?」 京太郎(……なんだ?) 京太郎(あの……電信柱の下から……誰かがこっち見てる……?) 京太郎「……」 スタスタ 京太郎「誰、だ?何か用か?」 京太郎(まさか、本当に咲が俺を追っかけて来て――……) 京太郎(隠れっ――――……)ピタッ 男「……」 京太郎「……」 京太郎(……誰だ) 京太郎(誰だ、このおっさん) 男「……」 京太郎(……何だ、このおっさん……なんで、俺をじっと、見て) 京太郎(え、て、事は……さっきから俺を追いかけてたのって) 京太郎「…………――――っ!!!!」ゾッ ダッ 京太郎「ひっ……!!」タッタッタ 京太郎(き、気味悪ぃ!) 京太郎(全速力で逃げよう!!!!) タッタッタ…… …… … ・ ―須賀邸― 京太郎「……はぁ……」グテー 母「どうしたの京太郎、そんなに疲れて」 京太郎「いや……なんでもない……」 京太郎(結局なんだったんだ……あの後は何も無かったし……) 京太郎「……」 京太郎(でも、なんだろう……あのオッサンどっかで) コンコンコンコン 京太郎「……ん?」 コンコンコン 京太郎「……」 京太郎(誰か玄関をノックしてる……?) コンコンコンコンコンコン 京太郎(なんでチャイムを鳴らさな……) コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン 京太郎「……」 コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン 京太郎「っ……」ゾク 京太郎「な、なあ母さん!さっきからずっと玄関のドアをノックされてんだけど!」 母「えー?本当ー?」ジャバジャバ 京太郎「でてくれよ!なんかしつこくて……」 母「洗い物してるんだから京太郎出てよー」ジャバ カラン 京太郎「そっ…………!……ったく……!」ガタ スタスタ 京太郎「……」 京太郎(や、俺の考えすぎか……。流石に撒いたはずだし) ガチャッ 京太郎「はーい」ギィ シーン…… 京太郎「……?」 京太郎(誰も……いない……?) 京太郎「……はぁ」 京太郎(なんだろう、動物とかか) 京太郎(な――……) 男「……」 京太郎「……――え」 男「……」 京太郎「……」 京太郎(あいつ) 京太郎(家の、塀の外から……こっち見てるあのおっさん) 京太郎(あいつ、あいつだ) 京太郎(夕方の……あいつだ……!!) 男「……」 京太郎「な……な……」 京太郎(なんだこいつ……なんだこいつ) 京太郎「な、なんの用ですか……!あんた……!」 男「………………鬼門」 京太郎「っひぃっ!!!」バターン タッタッタ! 京太郎「か、母さん!!家の前に変な人が居るんだけど!!」 母「はぁ?変な人?」 京太郎「そ、そう!!なんか、禿げたおっさんでさ!!」 母「ちょっと見てくるわ」スタスタ 京太郎「ちょ、あ、危ないって!」 母「見るだけだから大丈夫よ」スタスタ ガチャッ 母「……」 京太郎「か、母さん!俺の後ろに隠れて――……」 母「何もいないじゃない」 京太郎「……――え?」 シーン 母「……あんた、疲れてる?」 京太郎「ほ、本当だって!!確かにあそこにいたんだ!!」 バタン スタスタ 母「ほらほら、もうバカ言ってないでさっさとお風呂入っちゃいなさい」 京太郎「でも本当に――……」 <ワーワー 京太郎「……――?」 『……ロン』 『また決まった―!!大沼プロ、捲り上げた―!!』 母「まーた麻雀の番組……」 京太郎「……こいつだ」 母「え?」 京太郎「こいつだ、大沼プロだ」 京太郎「俺が言ってた変なおっさん、こいつだよ!!」 京太郎「大沼プロがさっきあそこに本当にいたんだよ!!」 母「……」 京太郎「さっき塀の外から――……」 母「京太郎」ポン 京太郎「え?」 母「あんた、ここ最近ずっと麻雀の勉強してて碌に寝てなかったでしょ」 母「もう寝なさい……暖かくして、風邪引かないように」 京太郎「ほ、本当だって!本当なんだって!!」 母「さ、カピは今日はママと寝ましょうねー」 カピ「ピカピ」 京太郎「母さん!母さーん!!」 …… ―翌朝― スタスタ 京太郎「ふあ……ふぅ……」 京太郎(……結局、信じてもらえなかったな……本当なのに) 京太郎「……」 京太郎(でも、もしかしたら大沼プロに似てるだけのおっさんだったのかもな……) 京太郎(いや、それでも問題だけども) 京太郎(もう来ないといいな……今の所、家の外にも居なかったし、つけられてる様子も) 「京ちゃん」 京太郎「っ!!!!!?」ビクゥッ!!!! 咲「はゎっ!?」ビクッ!! 京太郎「って、さ、咲?咲か……」 咲「ご、ごめんね?驚かせちゃって……」 京太郎「いや、いいんだ……ごめん、おはよう」 咲「う、うん……おはよ」 京太郎(ビックリした……良かった、咲か……) 京太郎(……ん?咲?) 咲「……っ……」 京太郎「……」 京太郎(……あ) 京太郎(そうだ……俺、昨日……) 咲「あの、ね?京ちゃん……」 咲「なんで…………麻雀部、やめちゃったの……?」 京太郎「……」 京太郎(……――部活、やめちゃったんだっけ) 京太郎「……ごめんな」 咲「う、ううん……でも、何で――……」 京太郎「……悪い、咲」 咲「え?」 ダッ 咲「え!?京ちゃん!?」 京太郎「ちょっと急ぐから先行く!ごめんなー!!」タッタッタ 咲「……京ちゃん……」 タッタッタ…… 京太郎「っ」 京太郎(だっせぇ……!だせえぞ俺!!何逃げて来てんだよ……!) 京太郎(本当に根性なしだ俺……!!素直に言えばよかったんだ!!) 京太郎(『弱すぎて自信がなくなったから、やめました』って――……) タッタッタ 京太郎「……」 京太郎(……あぁ……) 京太郎(……駄目だな、俺……本当) 京太郎(駄目な奴だ……) ガサッ 京太郎「ん?」 京太郎(なんだ?今……道の左の山の奥) 京太郎(何か――……) ガサッ!!ガサガサガサガサッ!!!! 京太郎「……」 大沼「……」ガサガサガサッ!!! 京太郎「う」 京太郎「う……~~っ……!!!?」 大沼「……」ガサガサガサガサ!!!!! 京太郎(あ、あいつだ……!!) 京太郎(あいつが、山の奥を……走ってる……!!!) 京太郎(俺の事) 京太郎(俺の事を凝視しながら) 京太郎(俺に平行して、走ってきてる!!!!) 京太郎「う」 ダァッ!!!!! 京太郎「うわああああああああ!!!!!!!!!」タッタッタ ガサガサガサッ!!!!! 京太郎「ひっ……!ひい……!!」 京太郎(は、走らなきゃ!!あいつより早く走らなきゃ!!) 京太郎(右にはガードレール、その向こうは少し高い崖だ……!!) 京太郎(後ろには、咲がまだ歩いてる……巻き添えにしちまう!!) 京太郎(前しか、逃げ道が無い……!!)チラッ 大沼「…………」ガサガサガサガサガサガサ!!!!!!! 京太郎「ひぃっ!!!!」 京太郎(とにかく走るんだ……!!もうすぐで人気の多い場所に、開けた場所に着く!!!!) ガサガサガサッ 京太郎「えっ?」 大沼「…………」ガサガサガサガサ 京太郎「う」 京太郎「うわぁぁぁっ!!!!」 京太郎(こ、こっちにきやがった!!!!今まで並走してたのに!!いきなりっ!!!) 大沼「…………」ガサガサガサガサ!!!! ガサッ!!! 大沼「………………おはぎ」タッタッタッタッタ 京太郎「ひぃぃぃ!!!」 京太郎(山から抜けてっ!!!道路に来たっ!!!!) プァァァ――――!!!!! 京太郎「うわぁっ!!!!!」ガバァッ!! キキィー!!!! …… ドサァッ!! 京太郎「はぁっ……!!はぁっ……!!」 ガチャッ バタン 女「だ、大丈夫ですかっ!!?」タタタ 京太郎「はぁっ……!!はぁっ……!!?」 京太郎(あれ……あ、あいつは……)キョロキョロ シーン 京太郎(……いなく、なっ……た……?) 女「もう!危ないでしょ!いきなり飛び出してきちゃ!!」 ―学校― スタスタ 咲「おはよー……」 クラスメイト「宮永さんおはよー」 咲「おはよ……あれ?」キョロキョロ クラスメイト「ん?どしたの?」 咲「えっと……京ちゃ……須賀君は?」 クラスメイト「京太郎君?さっき保健室行ったよ」 咲「え?保健室?」 クラスメイト「うん。なんでも来る途中に怪我しちゃったみたい」 咲「怪我……!?」 ―保健室― 京太郎「いつつ……」 保険医「もう、なんで登校するだけで怪我してるの」ペタペタ 京太郎「すみません……」 保険医「はい、おしまい」ペシン 京太郎「いだっ!」 保険医「全く……歩ける?」 京太郎「はい、なんとか……」 保険医「そう、それじゃ私は職員会議行ってくるから痛みが引いたら教室に帰りなさいよ」 京太郎「はい、分かりました」 保険医「それじゃ、御大事に」 ガラッ ピシャン 京太郎「……はぁ」 京太郎(……) 大沼『………………おはぎ』 京太郎(どうしよう……) 京太郎(あいつの事……先生達に相談した方がいいのかな) 京太郎「……」 京太郎(やっぱり相談した方がいいよな……) 京太郎(俺以外にもこんな目に遭わせないようにしなきゃ) スクッ 京太郎「よし」 京太郎(それじゃ……教室じゃなくて職員室に) スタスタ 京太郎「!!」 スタスタスタスタ 京太郎「……」 京太郎(この、足音……保健室に向かってきてる) 京太郎(……まさ、か……) スタスタ…… ピタ 京太郎(…………っ) ガラッ!! 京太郎「……っ!!」 スタスタ 優希「せんせぇー……ちょっと体調が」 優希「……――って」 京太郎「……」 優希「……京、太郎……」 京太郎「…………はぁぁぁ……」ヘナヘナ 優希「って、ええ!?ど、どうした!?」 京太郎「いや、優希か……本当にびっくりした……」 優希「だ、大丈夫か……?」 京太郎「悪い悪い、ちょっと色々あって――……あ」 優希「……」 京太郎(……これまた、気まずい奴が……) 京太郎「……えっと」 優希「……なあ、京太郎……」 京太郎「……」 優希「……本当に辞めるのか?」 京太郎「……」 優希「え、えっと」 優希「あの、一昨日言った、弱いなんちゃらっていうのは冗談というか」 優希「その」 優希「えっと……」 京太郎「……優希」 優希「やめるのは……考えてみて欲しいというか」 京太郎「……」 優希「えっと、いや、正直、私も言い過ぎたし」 京太郎「……――優希」 優希「あう、えっと、うう……」 京太郎「……優希」 優希「と、とにかく!」 京太郎「おい、優希」 優希「気にすることは――……え?」 京太郎「優希……こっち」 優希「え……京太郎?」 京太郎「こっち、来い」 京太郎「ドアの方……振り向かずに」 大沼「……」 京太郎「早く……こっち……!!来い……優希……!!」 優希「え?な、なにが」 京太郎「振り向くな!」 優希「っ!?」ビクッ 大沼「…………」 京太郎「いいから……こっち来い」 優希「う、うん……」スタスタ 京太郎「……ここ、座ってろ」 優希「ど、どうした?ドアに何か……」 京太郎「……優希」 優希「え?」 京太郎「しばらく、耳と目……塞いでてくれ」 優希「……」ギュッ 京太郎「……あ、アンタ……なんなんだ」 大沼「…………」 京太郎「なんで俺をつけてるんだよ!!警察に突き出すぞ!!」 大沼「……」 京太郎「……っ……」 ガシッ!! 京太郎「どっか!!」 ブンッ!!!! 京太郎「いけよぉっ!!!!!」 バリィン!!!!! 優希「ひっ!?」ビクッ 大沼「……」バッ!! 京太郎「!!待ててめぇっ!!」ダッ ガラッ! 京太郎「逃げるなっ!お前っ」バッ 保険医「須賀!!どうしたの!今の音!!」スタスタ 京太郎「せ、先生!!」 保険医「あー!薬瓶が割れちゃってるじゃない!」 京太郎「先生!!今そっちに男が行きませんでしたか!?」 保険医「え?」 京太郎「禿げてて、ヒゲ生やしたおっさんが行きませんでしたか!?」 保険医「や、私は忘れ物取りに……こっちから来たからちょっとわかんないけど」 京太郎「……じゃあ、反対側に……?」 優希「きょ、きょうたろぉ……!?」ビクビク 京太郎「ん?……あ」 優希「も、もういい……!?ねぇってばぁ……!」フルフル 保険医「……ちょっと須賀……」 京太郎「あ、いや」 保険医「いやらしい事してて……誤魔化すためにそんな事いってるんじゃないでしょうね……」 京太郎「ほ、本当です!!本当なんです!!!!」 優希「ま、まだかぁ……!?」ビクビク ―教室― ガラッ 京太郎「はぁ……」 咲「!京ちゃ……」 クラスメイト「おー!どうしたんだよ京太郎ー!」 クラスメイト2「なになにー?重役出勤じゃーん」 京太郎「はは……色々あってな……」 咲「……っ」 咲(京ちゃん……大丈夫なのかなぁ) ガラッ 先生「ほら、席つけー」 咲(……次の休み時間に話してみよう) 先生「えっと、突然だが、今日はこれで終わりだ」 生徒「「「えぇ!!!?!」」」 先生「ちょっと校内に不審者が紛れ込んだとある生徒から報告があってな……今日は自宅から出ない様に」 ザワザワ 「まじかよ」「やったぁ!」「早く帰ろうぜ」 咲「……」チラッ 京太郎「…………」 咲(……まさか、京ちゃんの怪我と何か関係が……) 先生「あー、それと……須賀」 咲「!!」 京太郎「……はい」 先生「お前はちょっと残ってくれ……それじゃ、号令」 <キリーツ レーイ 先生「よし、先生達が誘導してるからそれに沿って安全な道で帰れよー」 ザワザワ 先生「……それじゃ、須賀」 京太郎「はい……」 咲(……京ちゃん……) ブロロロロロ…… 先生「はは、お前が変質者につけ狙われるとはなぁ」 京太郎「笑い事じゃないですよ……」 先生「すまんすまん、まぁちゃんと家まで送ってやるから」 京太郎「お願いします……」 先生「しかし、最近お前目のクマ凄いなと思ってたが……こんな状況じゃ眠れやしないよなあ」 京太郎「はは……まぁ、でも家の中は安全ですから」 先生「あはは、違いない」 京太郎「あ、先生。赤ですよ」 先生「おっと」 キィー 先生「すまん話に夢中で」 京太郎「はは、しっかりして下さいよ」 京太郎「……」 京太郎「…………あ、れ」 先生「ん?どうした?」 京太郎「……」 先生「……須賀?」 京太郎「……」 京太郎「先生、青、です」 先生「ん?ああ、すまん……で?どうかしたか?」 京太郎「……走ってください」 先生「え?」 京太郎「走ってください」 先生「走ってるが」 京太郎「もっと!速く!!走って!!!!」 京太郎「乗ってる!!!…………後ろの車!!!!」 大沼「……」 京太郎「あいつが……あいつが乗ってる!!!!」 先生「なにっ!!!?」 京太郎「後ろ見ないで!!走って!!」 先生「そ、そういうワケにもいかんだろう!」 京太郎「いいから!!」 先生「いや!ちょっと降りて先生が捕まえて――……」 京太郎「駄目!!駄目だって!!」 京太郎「あいつ……いや!!」 京太郎「あいつら……!!!!一人じゃない!!!!!」 先生「一人じゃない……!?」チラッ 先生「…………たし、かに……見えにくいが、車に何人か乗ってる……!」 京太郎「あいつら!!!笑ってる!!!!」 京太郎「笑ってるよ!!!!あいつ!!!!」 大沼「…………」ニコォ 京太郎「遊んでる!!」 京太郎「俺たち二人追いかけて……あっ、あ、遊んでるんだ!!!!」 先生「ど、どうする……!」 京太郎「……!」 先生「一先ず、警察署がしばらく行った所にあるから、そこまで」 ガチャッ!! 先生「!!!?須賀ぁ!!!?」 京太郎「多分あいつらの狙いは俺です!!!!」 京太郎「車だと小回りが利かないと思うんで……俺、走って帰ります!!」 先生「ば、バカっ!!」 京太郎「先生!さようならっ!!!」 バッ!!! 先生「須賀ぁ――――!!!!」 ドンッ ゴロゴロゴロゴロ!! 京太郎「ぐぁぁっ!!……――くっ!!!」ガバァッ!! 京太郎「っ!!」ダッ!! タッタッタ 京太郎「はぁっ!!はぁっ!!」 京太郎(すぐに小道に入ったから……多分、大丈夫だ……!!) 京太郎(もし、俺に気付いたとしても……そんなに早くは) タッタッタ 京太郎「……」 京太郎「……」クルッ 京太郎「……」 京太郎「…………――嘘、だろ」 大沼「………………」タッタッタッタ 京太郎「う、あぁ」 大沼「…………」タッタッタッタ 京太郎「わ、わぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!!」 京太郎(あ、ありえるか!こんなの!こんなんありえるか!!!) 大沼「…………」タッタッタッタ 京太郎「な、なんで」 京太郎「なんで俺を追いかけんだよ!!!!!」 京太郎「何がしたいんだよぉ!!!!!!!!!やめてくれよぉ!!!!!!!」 大沼「…………素敵なくらし」タッタッタッタ 京太郎「……!!!!?」 大沼「…………膝の皿を使って」 大沼「…………飯をよそう」 大沼「…………素敵なくらし」 京太郎「!!?……!!?……!!!!!?」 大沼「………………痙攣」 大沼「………………脳内のポリープ」 大沼「………………単騎待ち」 京太郎「わ」 京太郎「わけ、わかんねぇっ」 京太郎「わけわかんねぇ!!来るなぁぁ!!!!」 京太郎「来るなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!来るなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 大沼「………………喉仏は」 大沼「………………悲願なので」 大沼「………………素敵なくらしを」 大沼「素敵なくらしを……素敵なくらしを」 京太郎「うぁぁぁっ!!!!うぁああぁぁぁあ!!!!」 ズザァァァッ!! 京太郎「はひぃう!!!!」 京太郎(よ、ようやく開けた場所に着い――……) タッタッタ 京太郎「……」 京太郎(なん、だ) 京太郎(なんだ、向こうから走ってくる人) 京太郎(こっちを、凝視しながら……こっちに向かって――……) 健夜「……」タッタッタッタッタ 京太郎「わ、あ、あう」 京太郎「あっ、わぁぁぁっ、わあああああっ」 京太郎(同類だ……!!多分、あの人、大沼の……!!同類だ!!!!!) ダッ!! 京太郎「はひっ!!」 タッタッタ 大沼「…………素敵なくらし」タッタッタ 健夜「待ってよー」タッタッタ 京太郎「はぁっ、はぁっ!!!!」 京太郎(なん、だ、こいつらっ) 京太郎「なんなんだ!!あんたらぁっ!!!!」 健夜「きっと止まればいいよ。そこに腰を据えるんだよ」 健夜「きっといい人生が待ってる。全てが生まれ変わる」 健夜「多分あなたも分かってるはずだよ」 健夜「アラサーだよ」 京太郎「わああぁぁぁっ!!!来るなぁっ!!!来ないでくれぇぇっ!!!!」 タッタッタ 京太郎「!!」 京太郎(前から人が!!) 京太郎(た、助けを) 京太郎「す、すみませっ……」 京太郎「……」 京太郎(……なん、で……この人……) 京太郎(俺の事、凝視、して…………) 京太郎(走って……) 照「美しい暮らしなどいない」ギュルルルルル 京太郎「……」 京太郎「ウワァァ」 京太郎「ウワアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」 大沼「………………尿道」 健夜「きっと、素晴らしい威光を授かれるよー」 照「ここには健康的なハイエンドなどいない」 京太郎「ウワアアァ!!!!!ウワアアアアア!!!!!」 京太郎(逃げ道っ!!逃げ道!!っは!!!!) 京太郎「っ!!!!」 京太郎(か、河に……!!) ガシッ!! バッ!! 京太郎(飛ぶしかねぇぇっ!!!!!) バシャーン!! 京太郎「っっぷはぁっ!!!」 辻垣内「腹を切れ」バシャバシャ 京太郎「うああああああああああああああああ!!!!!!!!」 ―須賀邸前― 咲「……」 ズザッ 咲「!!」 京太郎「ぜぇっ……ぜぇっ……」ヨロッ 咲「京ちゃん!」ダッ ガシッ 咲「大丈夫!?京ちゃん、大丈夫!?」 京太郎「さ、き……どうして」 咲「だって、京ちゃんが心配だったから……大丈夫だったの!?」 京太郎「はぁっ……はぁっ……変な、奴らに……追いかけられまくって……」 京太郎「でも……はぁっ……皆、撒いてやったぜ……」 咲「と、とにかく休まなきゃ!!」 ガチャッ 京太郎「ただ、いまっ……」 シーン 京太郎「誰も、いない……か」 咲「大丈夫?早く休まなきゃ!」 グイッ 咲「靴、脱げる?」 京太郎「大丈夫、だっての……」 咲「……もう……無理しちゃだめだよ……」 ―京太郎の部屋― ドサッ 京太郎「はぁっ……!はぁっ……!!」 咲「すごく疲れてる……」 京太郎「……はぁっ、わるい、な……咲」 咲「ううん、気にしないで」 京太郎「っ!そ、そうだ……!」 ムクッ 咲「!だ、だめだよ!寝てなきゃ!!」 京太郎「あ、あいつらの事……警察に、電話しなきゃ」 咲「だめ!休まなきゃ!!」 京太郎「……咲」 咲「休みなさい!」 京太郎「……」 咲「もう、本当に京ちゃんはいつもいつも……」 京太郎「……咲」 咲「……ん?」 京太郎「……悪かった」 京太郎「勝手に……部活……やめて」 京太郎「お前、らに……相談も無い、ままで……」 咲「……京ちゃん」 京太郎「俺……情けなかったんだ」 京太郎「一人だけ、才能なくて……」 京太郎「俺だけ、必要とされなくて……」 京太郎「くやし、かったんだ……」 ギリッ…… 京太郎「悔しかったんだ…………本当、は」 咲「……」 京太郎「いつの、間にか……麻雀自体を……すげぇ好きに、なってて」 京太郎「でも、才能も……頭も足りなくて……」 京太郎「お前たちに…………すげえ、嫉妬……してた……!!」 咲「……」 京太郎「そんな、ちっぽけな……屑なんだ……俺は……――俺はっ……!!」 ナデ…… 京太郎「!!」 咲「…………そんな事ない」 京太郎「……咲」 咲「そんな事ないよ」 咲「京ちゃんは京ちゃんなんだから」 咲「そのままで……いいんだよ」 咲「屑なんて……言っちゃ駄目」 咲「私は、知ってるよ」 咲「京ちゃんの良い所も……勿論、悪い所も」 咲「でも、そんな私が見ても……」 咲「京ちゃんは、ゼッタイゼッタイ……屑なんかじゃないよ」 京太郎「……――――咲……」 咲「だから、休まなきゃ……」 京太郎「………………え?」 咲「休まなきゃだよ。京ちゃん」 咲「ちゃんと休むのは肯定だよ。休めばきっとわかるんだ」 咲「人生はきっと美しいって」 京太郎「……」 ヴーヴー 京太郎「……携帯……が」ゴソッ 咲「皆、屑は休まないし休めないよ。風が吹くもの」 咲「だから休んだら今度は風になるの。次は鬼ごっこの鬼役になるの」 咲「そうすればもう誰もが休めない、全部風速が持っていくの!」 京太郎「……」 着信 宮永咲 咲「全部全部!!!!!美しい人生が始まって終わっていくの!!!!」 ピッ 咲『あ、もしもし京ちゃん?』 京太郎「……咲」 咲『うん、大丈夫だった?』 京太郎「……何が」 咲『ううん、今日、クラスでなんだか様子おかしかったし……』 京太郎「……」 咲「次は皆を箱の船で雨の洪水に浮かべるの!!!!!」 咲「きっと皆は『助けてー』って言うよ!!!!!!!!」 咲「でも駄目!!まだ駄目!!!!」 咲「だってそれはまだ人生じゃ、生きている人じゃないから!!!!!」 京太郎「………………」 咲『京ちゃん?どうしたの京ちゃん!』 咲『京ちゃ――……』ピッ 京太郎「……」 咲「まるでそれはア・プリオリな頸椎上の宣教師みたいに」 咲「笑って泣いて、食べて、転んで、交わって生きるの!!!!」 咲「素晴らしいでしょ!!!」 咲「だって皆カルテを待ちわびる間に」 咲「脂ぎった肉を精一杯頬張る事ができるんだよ!!!!!」 咲「誰だって止める権利なんてないよ!!!!!!!きっと自分自身にだって!!!!!」 咲「京ちゃん!!!!踊ろう!!!!踊ろうよ!!!!!もうすぐ車が来るよ!!!!!」 咲「大変な事なんだよ!!!!そしてコレはとっても大事な事!!!!!」 咲「踊ろう!!!!!!!!!!京ちゃん!!!!!!!!!!!!!」 咲「人生は!!!!!!!!!!!美しいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 京太郎「……」 京太郎「人……生……?」 スタスタ 大沼「…………人生」 詠「七転八倒とは言うけどねぃ」 藤田「人を殺して食べる飯は糧になるのか」 辻垣内「それを趣味と、スポーツと言い張る姿はまるで」 衣「跳梁跋扈の魑魅魍魎」 美穂子「人は一人では生きられないもので」 豊音「気付いた時にはやりたい事がちょーしんどいよー」 淡「それでもご飯をお腹いーっぱい食べたくなるのは」 洋榎「ひとえに欲望のお陰っちゅうやつや」 健夜「アラサーだよ」 はやり「だから素直になるのが一番☆」 咲「愛おしい人は放っておいて」 照「邪魔な人は撲殺し尽くさなきゃいけない」 戒能「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「人生七転八倒とは言うけど」 京太郎「人を殺して食べる飯は糧になるのか」 京太郎「全てをモラルと、常識と言い張る姿はまるで」 京太郎「跳梁跋扈の魑魅魍魎」 京太郎「俺は一人では生きられないもので」 京太郎「気付いた時には一人だった!!!!一人きりだった!!!!」 京太郎「それでも飯を食べたくなるのは」 京太郎「俺に欲望しかないからだ!!!!!」 京太郎「だから素直になるのが一番で」 京太郎「愛おしい人は放っておいて」 京太郎「邪魔な人を殺しに行こう!!!!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ!!!!」 ―長野のとある病院― 母「あの……先生……それで、京太郎は……」 医師「……大変申し上げにくいのですが……雀力に起因する心因性知覚障害です」 母「……雀……力……?」 医師「えぇ、京太郎さんは麻雀部に所属されてましたね?」 母「はい……」 医師「それで、全国大会まで勝ち進んだとか……原因はそれです」 医師「麻雀の手練というのは、特殊な波といいますか、そういうものを放っておりまして」 医師「その波長によって精神に影響を及ぼすケースが稀にあるんです」 母「……」 医師「まあこれは普通その波を放っていない普通の人間には影響がないんですが……」 医師「おそらく京太郎さんはあまりにも強い雀波を間近で長い年月をかけて浴び続けてきたのでしょう」 医師「……きっと、京太郎さんのご学友の方の仲に……強い雀波の発信者がおられます」 医師「今回はきっとその影響により、京太郎さんの麻雀に対するコンプレックスが」 医師「“今までに見た麻雀の強い人々が追ってくる”という幻覚をみせたのでしょう」 スタスタ 咲「……」 ―京太郎の病室― コンコン 咲「京ちゃん……京ちゃん、お見舞いに来たよ」 咲「……」 ガラ 咲「京ちゃん、お花を持ってきたよ」 咲「……」 サァァァ…… 咲「……京ちゃん?」 咲(いない…………あれ?) 咲(窓………………開いてる) ――東京―― 「いやぁ、今日も流石でした!大沼プロ!」 「また今度もお願いします!御疲れ様でした!!」 大沼「…………お疲れ」 スタスタ 大沼(帰って一杯やるか……)スタスタ 大沼「…………」 ピタ 大沼「……?」 京太郎「はぁっ……はぁっ……!」ニコォ… 大沼「……!?」 大沼(何だ……?この、寝巻きの格好をして) 大沼(ツルハシを持っている少年は…………) ……………… ガチュッ ガチュッ ガチュッ 京太郎「愛おしい人は放っておいてっ」 ガチュッ ガチュッ ガチュッ 京太郎「邪魔な人を殺しに行こうっ」 ガチュッ ガチュッ ガチュッ 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 京太郎「それが、ビューティフル・ライフ」 カン!
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京太郎「今日は雀さんのサイン会が昼に中心街、夜に三箇牧であるらしい」 京太郎「雀さんは地区予選大丈夫なんだろうか……?」 京太郎「やるべきは麻雀、だよな」 京太郎「よし、頑張るぞっ!」 京太郎「ひさしぶりにネト麻でもするか」 京太郎「MAO……超本格的なオンライン麻雀ゲーム」 京太郎「開発者の意図がうんたらかんたらってニュースに取り上げられてたな」 京太郎「待機待機、っと」 京太郎「お、来た来た」 とよねー:よろしくだよー 最強☆ちゃん:よろしくお願いします 魔法少女志望:よろしく 開局 京太郎「お、いい配牌、これは清一色だな」カチッ 京太郎「どんどん揃ってくな」カチッ 京太郎「お、面清一通で聴牌だ」カチッ 京太郎「この調子で……」 京太郎「来た!」 京:ツモ、8000オール 東1局 親 京 49000 魔法少女志望 17000 最強☆ちゃん 17000 とよねー 17000 京:ツモ、8000オール 豊音「わわっ、いきなり親倍だよー」 豊音「私も負けてられないよねー」カチッ とよねー:ツモ、3100・6100 東2局 京 42900 親 魔法少女志望 13900 最強☆ちゃん 13900 とよねー 29300 菫「シャープシュートの特訓にネト麻をすることになったのだが……」 菫「上手くねらえないな……ってツモか」カチッ 魔法少女志望:ツモ、2600オール 東2局1本場 京 40300 親 魔法少女志望 21700 最強☆ちゃん 12300 とよねー 26700 京太郎「さっきからツモばっかりだな…」カチッ 京太郎「いい感じいい感じ」カチッ 京太郎「よし」 京:ツモ、3100・6100 東3局 京 56600 魔法少女志望 13600 親 最強☆ちゃん 8200 とよねー 22600 菫「この京とかいうプレーヤー、凄い火力だな」カチッ 菫「だが、狙えはしないが……」 菫「勝たせてもらおう」カチッ 魔法少女志望:ツモ、4000・8000 東4局 京 52600 魔法少女志望 29600 最強☆ちゃん 200 親 とよねー 18600 京太郎「なんだこれ……」 京太郎「トイトイ三槓子、槓ドラモロ乗りで三倍満…って」 京太郎「あ、来た」 京:ロン、24000 終局 京 76600 魔法少女志望 29600 最強☆ちゃん 200 とよねー -5400 京太郎「……」 京太郎「倍満倍満三倍満で飛ばす、とか嬉しすぎて実感が湧かないな」 prrr prrr 京太郎「はい、須賀です」 豊音『うわあああああん!!』 京太郎『えっ!?』ビクッ 豊音『須賀ぐーん』 京太郎『あ、姉帯さん!?落ち着いてくださいよ』 豊音『ぐやじいよーでも楽しがっだよー』 京太郎『どうしたんですか?』 豊音『えっぐ、あの、ね』 京太郎『ネトマで飛ばされた、と』 京太郎『よりにもよって三倍満に振り込んでしまって』 豊音『うん、ズズッ』 京太郎(あれ、これ和了ったの俺じゃね?) 京太郎(と、すると姉帯さんがとよねーさんか……) 京太郎(うん、黙っておこう) 京太郎「姉帯さんを慰めるのに小一時間かかってしまった」 京太郎「なんとかばれないで済んだな」ホッ 京太郎「昼は、どうしよう」 京太郎「そういえば、中心街で雀さんのサイン会があったんだっけな」 京太郎「行ってみよう」 ―――――――――――― 明華「いつもありがとうございマスネ」ニコッ 明華「お次ノ人ー!」 京太郎「どうも」 明華「須賀クン!」パァァ 明華「来てくれたンダネ!」 京太郎「この前約束しましたしね」 明華「ありがとっ!」 明華「そだ!アト1時間待ってテ!」 京太郎「どうするんですか?」 明華「一緒ニ遊ビニ行こっ!」 京太郎「いいですね、行きましょうよ!」 明華「うんっ!」 明華「須賀クン、コッチコッチ」 京太郎「あ、はい」 明華「…」ササッ 京太郎「あの、どこへ?」 明華「私ノ楽屋」ササッ 京太郎「俺が入ってもいいんですか?」 明華「……タブン」 明華「…バレタラ、危ない…カモ」 京太郎「えぇ……」 ―――――――――――― 明華「到着ッ!」 京太郎「おお、ドッキリ番組で見た部屋そのものだなぁ」 京太郎「そういえば、ここで何するんです?」 明華「それハネ……」 明華「一緒ニ話そっ」 京太郎「雑談ですか、いいですよ」 明華「何カ聞きたいことトカある?」 京太郎「ききたいこと……あ、歌」 明華「歌?」 京太郎「いつごろから歌ってるんですか?」 明華「ンー、小さいときカラ」 明華「パパンハ麻雀ノプロデ、ママンハ歌手デ」 明華「ダカラ、麻雀ト歌ハずっとやってる」 京太郎「ふぅ~むなるほどなるほどなるほど~」 明華「……」 京太郎「……」 京太郎「話すこと、無くなっちゃいましたね」 明華「ウ……ン」 京太郎「じゃあどこか行きますか」 明華「ウン!」 京太郎「というわけで、大阪城の近くにあった喫茶店に来てみましたー」 明華「オ城、キレイ」キラキラ 京太郎「周りの風景も見れるのもこの店のいいところだよな」 明華「あ、この歌」 ~~♪ 京太郎「これが雀さんの歌ですか?」 明華「ウン、ドウ思う?」 京太郎「いい歌だと思いますよ」 明華「ワァ、ありがと!」 京太郎「大阪と言ったらこれ!」 テッテレテッテッテー 京太郎「大阪パフェ~」ダミゴエ 明華「普通ノパフェト、違うノ?」 京太郎「……」 京太郎「……寸分違わずです、はい」 明華「ふふっ、はい、これ」アーン 京太郎「え?い、いいんですか?」 明華「なにが?」 京太郎「あーん、なんて」 明華「パパンヤママントしたことある、ダイジョーブ」 京太郎「え、えーっと、ですね」 京太郎「そういうのは、少し、早い、と言いますか、そのー」 明華「ふふっ、ジョーダン」パクッ 京太郎「えっ」 京太郎「……」 明華「ふふっ」 京太郎「お、男の純情をもてあそびましたね!」ウキー 京太郎「そんな明華さんには、こうです!」アーン 明華「エ?」 明華「……」 京太郎「あれ、食べないんですか?」 明華「……アーン」 京太郎「はい」パクッ 明華「アー……アレ?」 京太郎「仕返しです」フフン 明華「~~///」 ―――――――――――― 明華「今日ハありがと!」 京太郎「俺なんかでよければ、また遊びにいきましょうよ」 明華「ウン!」 京太郎「さて、まだ中心街にいるわけだが、何をしようかな」 京太郎「通天閣、大阪に来てから初めてだな」 京太郎「こうしてみると、賑やかな街なんだな、ここ」 京太郎「……あ」 もこ「~♪」 京太郎「対木さん……でしたよね」 もこ「ん?」 もこ「き、貴様は…ッ!」 もこ「ゴ、ゴールデンフレ「須賀です」」 京太郎「須賀京太郎です、元気そうで何よりです」 もこ「ククク、あんなもの、我には些細なこと……に、すぎない」グスッ 京太郎「ああ、元気出してくださいよ」 京太郎「ほら、元気元気!」 もこ「元気?」 京太郎「元気元気元気元気元気元気ごほっ、ごほっ」 もこ「大丈夫?」 京太郎「元気、出しすぎちゃいました」テヘペロ もこ「ククッ」 京太郎「ははっ」 もこ「クーックックックク」 京太郎「あーはっは」 もこ「気に入ったぞ、須賀」 もこ「これをやる、マイセルコードだ」 京太郎「セル…携帯、コード……ああ、連絡先ですか」 もこ「……ん、不要…か?」 京太郎「いえ、嬉しいです。これ、俺のえっとセルコードです」 もこ「あ、ありがと」ニヘラ 京太郎「地元に戻ってきたぞ」 京太郎「三箇牧のサイン会は…また邪魔すると悪いからやめておくか」 夜 京太郎「憩さんと勉強するか」 コンコン 京太郎「憩さん、勉強しましょう!」 ドタドタ 「ま、待っててーな!」 憩「はぁ…はぁ、べ、勉強?」 京太郎「顔赤いですけど、どうしました?」 憩「い、いや、なんでもないよ!」アセアセ 憩(あとちょっとで見られるとこやったな……) 憩(オカズは京太郎君……なんて、言えへんよな) 【7月第2週 休日】終 【7月第3週 平日】 京太郎「いよいよ今週末か!」 京太郎「気合いれていこう!」 京太郎「ふぁああ」 エイスリン「スガクーン!」パタパタ 京太郎「どうも、おはようございます」 エイスリン「オハヨッ!」 京太郎「エイスリンさんは、休日何をしていたんですか?」 エイスリン「エーットネ」カキカキ バッ |牌に埋もれるエイスリンの絵| 京太郎「…えーっと…」 京太郎「麻雀漬け?」 エイスリン「ミンナデ、ウッタ!」 エイスリン「スガクンハ?」 京太郎「俺もネトマしてましたよ」 エイスリン「スガクンハエライ!エライヨー」 京太郎「あ、ありがとうございます」 京太郎(言えない……東風戦やっただけで他の時間は遊んでただけなんて) 京太郎(到底言えない……) エイスリン「ソウダ、カスミガダイジナハナシガアルカラ」 エイスリン「ヒルヤスミ、ブシツニシュウゴウダッテ!」 京太郎「わ、わかりました」 京太郎(大事な話……?) 京太郎「というわけで、部室に来たけど」 霞「あ、来たみたいね」 京太郎「話…とは?」 霞「地区予選のことよ、まずは日程から」 【地区予選1日目】 朝:自由行動 昼:自由行動 夕:女子団体戦 決勝 夜:自由行動 【地区予選2日目】 朝:女子個人戦 予選 男子個人戦 予選 昼:女子個人戦 本戦 夕:男子個人戦 本戦 霞「こうなっているわ」 霞「予選は東風3回で2回2位以上で通過」 霞「本戦は半荘2回の内どちらかで1位で通過よ」 京太郎「ありがとうございます。あ、そういえばオーダーってどうなっているんですか?」 霞「そのことなんだけど……実は」 霞「迷ってるのよ、だから京太郎くんの意見を聞こうかと」 京太郎「俺が決めてしまってもいいんですか?」 霞「私より、あなたの方があの子たちをわかってると思うから、どう?」 京太郎「そう…ですね」 京太郎「じゃあ、まずは先鋒からですか」 霞「先鋒は基本エースポジションね」 霞「高火力プレーヤーが置かれることが多いわ」 霞「それで、誰にするの?」 京太郎「照…がいいんじゃないんですか?」 霞「照ちゃん?去年は大将だったけど」 京太郎「あいつと同じ卓に入ったら、あんまり和了れないんですよね」 京太郎「だから、照に任せておけば安心かと」 霞「確かに…そうね」 京太郎「次は、次鋒ですか」 霞「ここは……事故が結構起きるポジションね」 霞「あと、キンクリされがちよ」 京太郎「キンクリ……?」 京太郎「郁乃さんか、咏ですかね」 霞「その心は?」 京太郎「狙い目だから?」 霞「何よそれ」 京太郎「でも、どっちにしましょうか……」 霞「そうね……」 京太郎「じゃあ、郁乃さんに任せましょうか」 霞「あの子は、なんとかするでしょうからね」 京霞「「多分……」」 京太郎「次は、中堅ですか」 霞「ここは自由に打つプレーヤーが多いわね」 霞「先鋒の次に高火力プレーヤーが置かれるポジションよ」 京太郎「ここを咏にしましょうか」 霞「そうね、あの子に合ってそうだし」 京太郎「残るは、副将と大将ですか」 霞「エイスリンちゃんか憩ちゃんね」 霞「副将はごくまれにおかしなプレーヤーが置かれることがあるから注意ね」 霞「基本は守りの堅いプレーヤーばかりよ」 霞「大将はいわずとしれた魔物区域」 霞「私も去年は大将だったわね」 霞「それで、どうするの?」 京太郎「副将は憩さん、大将はエイスリンさんにしようかと」 霞「ふんふむ……」 霞「歴の浅いエイスリンちゃんはちょっと心配だけど」 霞「ま、いいでしょう」 霞「まとめると……」 先鋒 宮永照 次鋒 赤阪郁乃 中堅 三尋木咏 副将 荒川憩 大将 エイスリン・ウィッシュアート 霞「こうなるわ、これでいいのね?」 京太郎「はい、大丈夫だと思います」 霞「それじゃあもう戻っていいわ、ありがとう」 京太郎「了解です、失礼しました」 京太郎「いよいよ大会って感じがしてきたな」 京太郎「放課後はどうしようかな」 京太郎「部活一択!」 霞「今日は大会前だからたくさん練習できるようにしておいたわ」 京太郎「おお!よし、頑張るぞ!」 エイスリン「スガクン!トックン!」 京太郎「おっ」 エイスリン「トックン、シヨ?」 京太郎「俺もそう言おうと思ってました」 京太郎「張り切っていきましょう!」 エイスリン「ウン!」 京太郎「こんなところ、でしょうかね」 エイスリン「アリガト、スガクン!」 京太郎「いえいえ、頑張ってくださいね」 京太郎「あとこれ」 エイスリン「ナニコレ?」 京太郎「お守りです、使ってください」 エイスリン「ア、アリガト、キョ、キョウタロークン!」 京太郎「あれ、今」 エイスリン「エヘヘ、ナマエデ、ヨンデミマシター」 エイスリン「ガンバローネ、キョウタロークン!」 京太郎「はい!」 京太郎「エイスリンさん!まだ特訓続けましょう!」 エイスリン「イイノ?」 京太郎「どうってことないですよ、エイスリンさんの力になりたいだけですから!」 霞(あらあら、いい雰囲気ね)クスッ 京太郎「ふぅ……」 エイスリン「ツカレタァー」 京太郎「まだまだ頑張りましょうね!」 エイスリン「オマカセア「それは言ってはいけません」」 京太郎「まだまだ行きますよー!」 エイスリン「オーッ!」 照(京、こっちには来ないのかな…) 憩(大会直前……か) 霞「はい、今日はここまでよ」 霞「あとはみんな週末に備えて調整しておくこと」 霞「それじゃ、解散よ」 エイスリン「キョウタロークン、キョウハ、アリガトウデシタ」ペッコリン 京太郎「俺も、エイスリンさんの力になれたようで嬉しいです」 京太郎「地区予選、頑張りましょうね!」 エイスリン「ウン!」 エイスリン「キョウタロークン!チョットキテ!」 京太郎「どこにいくんですか?」 エイスリン「book store!」 お品書き 牌のお姉さんの麻雀教本 中級編…2000円 牌のお姉さんの麻雀教本 上級編…2800円 小鍛治健夜の目指せ!グランドマスター!…2800円 戒能良子のものまね王!…2800円 迫り来る怒涛の修羅場…2000円 女性を落とす40の方法…1000円 小説…600円 京太郎「エイスリンさんはどこか行っちゃったけど、何を買おう」 京太郎「この2冊にしておくか」 エイスリン「オマタセ!」 京太郎「今までどこに?」 エイスリン「comic!」 京太郎「漫画コーナーですか」 エイスリン「ウン!」ズコッ エイスリン「アッ」 バサバサッ 京太郎「あ、本落としました……」 漫画「アーッ!」 京太郎「よ」 【7月第3週 平日】終 地区予選・朝 京太郎「霞さんの家から春の千里山の映像を借りてきたぞ」 京太郎「これで対策を立てよう!」 京太郎「誰にしよーかなー」 京太郎「お、このおもちは、清水谷さんか」 京太郎「この人にするか」 京太郎「……」 京太郎「なんにも浮かばないな……」 京太郎「対策なんて似合わない、か」 京太郎「みんなの役に立ちたかったんだけどな……」 京太郎「はぁ……」 昼 京太郎「いや、ここで諦めてたまるか!」 京太郎「対策係須賀京太郎!清水谷さんを攻略する!」 京太郎「そういえば、清水谷さんの調子って」 京太郎「半荘の間に何回も変わってる気がするんだよな」 京太郎「配牌がめちゃくちゃいいときが3回続いたり、悪い時が続いたり」 京太郎「この調子を乱せば……」 京太郎「でも調子とかどうやって乱すんだよ……」 京太郎「藁人形でも作っておくか」 京太郎「一回戦、三箇牧は……」 京太郎「先鋒戦は、照が250000点、他校を全て50000点で圧倒」 京太郎「次鋒戦、郁乃さんは地和を2回も和了して、結果は三箇牧300000点、他校は……」 京太郎「次鋒戦後、卓を点検して」 京太郎「中堅戦、咏が和了り続けて他校は全て10000点台」 京太郎「副将戦の憩さんは他校を0点で回す」 京太郎「大将戦はエイスリンさんの開局ツモで全員トビ…か」 京太郎「なんだこれ」 霞「地区予選もいよいよ決勝よ!みんな、優勝してインターハイに行きましょう!」 一同「おーっ!」 霞「まずは照ちゃん、頑張ってね!」 照「……善処する」 実況「さあ、始まりました、北大阪インターハイ地区予選」 実況「実況は私、解説は野依プロでお送りします」 理沙「村吉さんは!?」プンスカ 実況「村吉アナは他局なのでいません」 理沙「そうだった……」シュン 実況「それでは、決勝に駒を進めた4校を紹介していきましょう!」 実況「まずは、モブA高校!火力重視のチームです」 実況「お次はモブB学園、モブA高校とは対照的に、速度重視のチームです」 実況「そして、1年ぶりの出場、三箇牧高校!」 実況「昨年の個人戦ベスト2の宮永照、荒川憩擁するまさにドリームチーム!」 実況「そしてそして、最後は全国2位、関西最強の高校!」 実況「千里山女子!」 実況「野依プロ、本日の見どころは?」 理沙「制服!」プンスカ 実況「ああ、確かに三箇牧高校の制服は個性的ですよね……ってちがーう!」 実況「対局についてお聞きしたかったのですが、まあおいておきましょう」 実況「間もなく、先鋒戦スタートです」 照(早く行っておくか……) 照「行ってきます」 京太郎「頑張れよ!照!」 照「うん」 竜華「怜、もう始まるで」 怜「……ん、そうやな」 怜「じゃ、行ってくるわ」 竜華「無理はせんといてな!」 怜「わかっとるって」 【対局室】 怜「お」 照「ん」 怜「その節は、お世話になりました」 照「いや、こちらこそ」 照「よろしく、園城寺さん」 怜「よろしくな、チャン……いや、宮永さん」 照「うむ」 怜(チャンピオンになるのは……私たちや) 開局 親 モブA1 100000 南 怜 100000 西 モブB1 100000 北 照 100000 怜(宮永さんは東1には和了らん) 怜(今のうちに、攻める!) 【先読み―シングル】発動! 2000から4段階上昇で満貫 怜「リーチ」 照(リーチ…立直……直立) A1(これが園城寺のリーチか!) B1(あ、ど、どれ捨てよう……)トン 怜「ロン、リーチ一発メンタンピンで、8000や」 B1「あうっ」 実況「園城寺選手、早速リーチ一発」 実況「園城寺選手は牌譜を見てみると一発率が多いのですが、どう思いますか?野依プロ」 理沙「鏡!」プンスカ 実況「鏡?」 照(ここから、いく)ゴッ 【照魔鏡】発動! 東2局 A1 100000 親 怜 108000 B1 92000 照 100000 怜(親番……) 怜(まだまだ行く!) 怜「リーチ」 照(うむむ……) 怜「ツモ、リーチ一発チートイドラドラ、6000オールや」 照(うむぅ……) 東2局1本場 A1 94000 親 怜 126000 残り体力:4 B1 86000 照 94000 照(2連続一発……不思議) 照(でも、私も負けない) A1(園城寺さんに注意しておこう)トン 照「ロン、タンヤオのみ、1000の1本場は1300」 A1(うわっ、チャンピオンかー……) 東3局 A1 92700 怜 126000 残り体力:4 親 B1 86000 照 95300 照「ツモ、500・1000」 照(調整は、終わり) 照(言い訳じゃない……うん) 怜(宮永さんの、親番……か) 実況「とうとう始まったか、チャンピオン宮永選手の連続和了!」 野依(テレビ、慣れない……どうしよぉ…) 実況「どう思いますか?」 野依「まだまだ!」プンスカ 野依(またわけのわからないことを……) 東3局 A1 92200 怜 125500 残り体力:4 B1 85000 親 照 97300 同コンマのため、流局 照(親…ここで、稼ぐ!)トン 怜(連続和了は防がんとな)トン 照「あ」 A1「はい?」 照「いや、なんでも」 照(捨て牌間違った……) 東4局1本場 A1 93200 怜 122500 残り体力:4 B1 86000 親 照 98300 怜(テンパイ……宮永さんの連続和了も止まったことやし) 怜(一発がつくとして……よし)キィィン 【先読み―シングル】発動! 怜の体力が減った! 4→3 倍満から4段階上昇で、役満 怜「リーチや」 B1(ま、またですかぁ……)トン 怜「ロン、リーチ一発面混タンピン二盃口ドラ2、裏は…2」 怜「数え役満、32000の1本場は32300や」 B1「は、はいっ!」 怜(これで折り返しや……)ハァハァ 霞「照ちゃん、あまり和了れないわね……」 京太郎「まだ大丈夫ですよ!照なら大丈夫です!」 郁乃「まあ、照ちゃんが稼げなくても私がその分頑張るから安心してな~」 咏(それが不安なんだよねぃ) 南1局 親 A1 93200 怜 154500 残り体力:4 B1 53700 照 98300 実況「これは……どういうことでしょうか」 実況「宮永選手は2回和了したのみ」 実況「千里山女子の園城寺選手が着実にリードを広げていってますが」 理沙「まだまだ!」プンスカ 怜(体力、オーラスまでもつかな……) 怜(いや、もたせたるわ!) 照「ツモ、300・500」 照(もう、和了られてなんていられない) 南2局 A1 92700 親 怜 154200 残り体力:4 B1 53400 照 99400 照(ここから先は、私の独壇場) 照「ロン、2000」 B1「は、はいっ!」 照(園城寺さん……) 照(あなたを) ゴッ 照(倒す) 南2局 A1 92700 怜 154200 残り体力:2 親 B1 51400 照 101400 照「ツモ、1000・2000」 照(まだまだ、和了り続ける)ギュルッ 怜(そろそろ、きつぅなってきたな……) 実況「宮永選手はようやく調子を取り戻したらしいですね」 理沙「期待!」プンスカ 実況「は、はぁ……」 オーラス A1 91700 怜 153200 残り体力:2 B1 49400 親 照 105400 照(最後の親番、削れるだけ削ろう) 照(徹底的に) 照「リーチ」 怜(な……1巡後にツモ!?) 怜(ズラすしかない!) 怜(でもこの手牌じゃ鳴けへん) 照「ツモ、リーチ一発、2600オール」 怜(しくったなぁ……) 怜の体力が減った! 2→1 オーラス1本場 A1 89100 怜 150600 残り体力:1 B1 46800 親 照 113200 怜(宮永さん……静かやな……) B1(テンパイできました!次で終わりです!) A1(流局か、ノーテンってのがなぁ) 照(まだ)スチャ 照「ツモ、海底ホンチャン、3300オール」 オーラス2本場 A1 85800 怜 147300 残り体力:1 B1 43500 親 照 123100 照(一発、海底) 照(次は……そうだな) 照「カン」 A1(暗槓……?) 照「嶺上ツモ、メンゼンドラ2」 照「4200オール」 実況「チャンピオン止まらない!圧倒的!圧巻です!」 理沙(またフラれそうだな……どうしよぉ) 理沙(でも、頑張らないとっ!ファイト!私!) 実況「そして、3本場開始です」 理沙(あれ?) オーラス3本場 A1 81700 怜 143200 残り体力:1 B1 39400 親 照 135700 照(次は……) 照「ツモ、面混小三白中」 照「6300オール」 怜「こほっこほっ」 怜(そろそろきついかな……) オーラス4本場 A1 75400 怜 136900 残り体力:1 B1 33100 親 照 154600 照「リーチ」 A1(ダ、ダブリーですか) A1(今日は変な役ばかりですね) 怜(アカン、このままやと、ツモられる!) B1(あーもう、難しいですよぉ!) 照(いける!)ギュルルルル 照「ツモ、ダブリー一発メンタンピン一盃口、裏1」 照「8400オール」 オーラス5本場 A1 67000 怜 128500 残り体力:1 B1 24700 親 照 179800 怜(宮永さん…やっぱ強いなぁ…) 怜(よく頑張ったわ、私) 怜(でも、ここで終わるわけにはいかへん) 怜(一点でも多く、リードを作る……そのために) 怜(ごめんな、竜華、セーラ、みんな) 怜(無理、するわ)キィィン 【先読み―シングル】 怜の体力が減った! 1→0 跳満から4段階上昇で役満 照「…っ」 怜「リーチ…や」 怜(最後、これで…最後や) 実況「おーっと、ここで来ました園城寺選手のリーチ、一発なるか?」 理沙「お、おお!」 怜「ツモ、四暗刻」 怜「8500・16500」 終局 モブA 58500(-41500) 千里山 162000(+62000) モブB 16200(-83800) 三箇牧 163300(+63300) 【次鋒戦】 実況「先鋒戦終了ー!」 実況「昨年度インターハイ個人戦チャンピオン宮永照の1人浮きに終わる試合かと思われていましたが」 実況「千里山女子の無名のエース、園城寺選手との拮抗状態で幕を閉じました」 実況「野依プロはこの対局、どう思いましたか?」 理沙「興奮!」プンスカ 理沙「し、しました!」プンスカ 実況「は、はぁ……次鋒戦は休憩をはさんで行われます」 京太郎「終わりました、か」 霞「凄かったわね、照ちゃん」 京太郎「じゃあ俺、照を迎えに行ってきますね」 霞「行ってらっしゃーい」 怜(なんとか、もったな……帰ろか) 照「園城寺さん、大丈夫?」 怜「仮病やから、大丈夫」 竜華「怜!」 怜「りゅ、竜華……」 照「じゃあ、私、もう行くね」 怜「ありがとな、宮永さん」 照「また打とう、次も負けない」 怜「お手柔らかに頼むわ」 ――――――――――――― 霞「あら?帰ってきたの?」 京太郎「対局室に行っても誰もいませんでした」 京太郎「ところで、郁乃さんは?」 霞「すれ違いね、もう行ったわよ」 京太郎「そういえば、郁乃さんの名前ってどうしたんですか?」 霞「それはね……」 実況「さて、各校の選手が対局室に向かい始めました」 実況「モブA高校の次鋒は、部長のA2選手」 実況「モブB学園の次鋒は、またもや1年生のB2選手、B1選手のリベンジなるか」 実況「そして現在2位の千里山女子の次鋒は、これまた1年生の二条泉選手」 実況「現在1位の三箇牧高校、次鋒は赤阪郁代選手!」 実況「赤阪選手は姫松の元監督、赤阪郁乃さんの妹、とのことです」 実況「それでは、次鋒戦開始です!」 京太郎「設定、ですか」 霞「そうよ、設定」 東1局 親 B2 16200 区間1位 南 泉 162000 区間2位 西 A2 58500 区間3位 北 郁乃 163300 区間4位 泉(園城寺先輩が作ったリード、私が広げますよ!) 泉「ロン!16000!」 郁乃「あ~倍満か~しゃあないな~」キュオオオオオ 泉「は……!?」 【身代わりの幻影】発動! 聴牌判定まで戻ります 東1局 親 B2 16200 区間1位 南 泉 162000 区間2位 西 A2 58500 区間3位 北 郁乃 163300 区間4位 B2(1ちゃん、泣いてた) B2(私、取り返す!) B2「ロン!国士無双!48000!」 A2「うげぇっ!」 実況(なんだこの大会……) 東1局1本場 親 B2 54200 区間1位 +48000 泉 162000 区間2位 A2 10500 区間4位 -48000 郁乃 163300 区間3位 A2「ロン!24000の1本場は24300!」 郁乃「うぇぇ~もったいないけど~」 郁乃「まあ、ええか~」キュオオオン 【身代わりの幻影】発動! 聴牌判定まで戻ります 東1局1本場 親 B2 54200 区間1位 +48000 泉 162000 区間2位 A2 10500 区間4位 -48000 郁乃 163300 区間3位 A2「はっ!」 B2「ん、どうした?」 A2「いや、なんでも!」 郁乃(わ~お、またやな~) 郁乃「ツモ~地和で~8100・16100や~」 実況「またもや役満、赤阪選手はこれで今大会3度目の地和です」 理沙(確かに、赤阪さんに似てるなぁ) 理沙「うーむ……」 東2局 B2 38100 区間2位 +31900 親 泉 153900 区間3位 -8100 A2 2400 区間4位 -56100 郁乃 163300 区間1位 +48300 泉(テンパイ、これで和了れば7800……ですか) A2「うぅ……」トン 泉(うっ、あなたから和了ってもどうにもならないんですよ……) 流局 東2局1本場 B2 35100 区間2位 +28900 親 泉 154900 区間3位 -7100 A2 3400 区間4位 -55100 郁乃 164300 区間1位 +49300 郁乃(泉ちゃん、聴牌しとったんか~) 郁乃(あの子も危ないし……しゃあないな) 郁乃(咏ちゃん、憩ちゃん、エイちゃん、ごめんな) 郁乃(逃げ切ったるわ~!)ゴッ 同コンマのため、流局 東3局1本場 B2 33600 区間2位 +27400 泉 153400 区間3位 -8600 親 A2 4900 区間4位 -53600 郁乃 165800 区間1位 +50800 A2(聴牌できないなぁ、このまま、負けるのかなぁ)ジワッ B2(聴牌、ただし、和了れるかは、不安) 泉(さっきからずっと手が進みませんね……) 郁乃(ツモ、ギリギリやな~) 郁乃「ツモ、2100・4100や~」 東4局 B2 31500 区間2位 +25300 泉 151300 区間3位 -10700 A2 800 区間4位 -57700 親 郁乃 165800 区間1位 +50800 郁乃(みんなで勝ちたかったけど、少し暴れすぎたな~) 郁乃(これ以上進めても危ないから) 郁乃「ツモ、3200オールや~」 郁乃(これで、お終い) 地区予選決勝 終了 モブB 28300 千里山 148100 モブA -2400 三箇牧 175400 実況「次鋒戦、そして、北大阪インターハイ地区予選終了ー!」 実況「三箇牧高校の次鋒、赤阪選手がA高校を飛ばして、優勝!」 実況「関西最強、千里山女子の連覇を阻止しました!」 実況「野依プロはこの試合、どう思われましたか?」 理沙「とっても不思議!」 実況「あ、そうですか」 実況(村吉アナ、尊敬しますわ) 【対局室】 郁乃「……お疲れさま~」 A2「うっ、うぇっ、ひぐっ」 B2「おつ、かれ」 泉「お疲れ、でした……っ!」 泉(負けた、私が、負けた) 泉(私は高1最強のつもりだった、でも) 泉(そんなのは唯の傲慢、結果として、私は) 泉(千里山女子の連覇を、何年も前からの先輩たちからのバトンを) 泉(園城寺先輩から渡されたバトンを、江口先輩に渡せなかった) 泉(後の人たちに渡せなかった) 泉(私の、せいで私のせいで) 泉(私のせいだ私のせいだ私のせいだ私のせいだ私のせいだ私のせいだ私のせいだ) 【三箇牧高校控室】 咏「あっさりだったねぃ」 照「もう少し、手加減すれば……」 霞「ダメよ、手加減なんて、相手に失礼じゃない」 照「はい……」 京太郎「泉……」 憩「……あ」 憩「京太郎くん、飲み物買ってきてくれる?」 京太郎「はい?」 憩「心配、なんやろ?」ヒソヒソ 憩「泉ちゃんが」 京太郎「!」 憩「前私にやったときみたいに、慰めてな」ヒソヒソ 京太郎「……わかりました、行ってきます」 バタム エイスリン「デバン、ナカッタナ……」 【千里山女子高校 控室】 セーラ「あー、負けてしもたかー」 怜「みんな、ごめんな」 怜「私がもう少し頑張っとったら、泉にも無理させんで済んだのに」 竜華「怜のせいやない……」 セーラ「せや、泉のせいでもない」 セーラ「誰のせいでもない、せやから誰かを責めたりするんは無しや」 セーラ「泣くのも、無しや」 セーラ「泉は、みんなで笑って迎えてやるんや」 セーラ「泣いたら、っ、あかん」 竜華「うんっ、うん」 怜「泣いた、ら、罰ゲーム、やな」 浩子「コスプレ、ぇっ、とか、ですか?」 竜華「じゃあ、みんなでコス、プレ、やな」グスッ セーラ「うん……うぇっ」 ―――――――――――――――― 京太郎(あの状態の二条がいそうなところ……) 京太郎(人がいなさそうなところ、か) 京太郎(だとすれば、こっち) 京太郎(ぼっちでよかったと思える瞬間) 【休憩室】 泉(こらえなきゃ、今は、先輩たちの前で悲しんでなんて、いられない) 泉(だから、一人で……) 京太郎「二条、いるかー?」 泉「はいっ!?」 京太郎「やっぱり、ここにいたのか」 泉「どうして、ここが?」 京太郎「勘、かな」 京太郎「二条が心配だったから、来た」 京太郎「勝った俺が何しに、って話なんだけどな」 京太郎「二条」 泉「はい」 京太郎「堪えなくっても、無理しなくても、いいんだぜ」 京太郎「悲しいときは泣いて、楽しいときは笑う」 京太郎「だから、さ、泣いてもいいんだぜ」 京太郎「みんな、受け止めてくれる」 京太郎「笑って控室に戻りたいんなら、俺の胸を貸してやる」 京太郎「無理、するなよ」 泉「はい、はいっ、う、ううっ」 泉「うえええええええっ」 京太郎「もう、大丈夫か?」 泉「はい」 泉「その……制服グチャグチャにしちゃいましたね」 京太郎「ああ、いいよ、着替え持ってきてるし」 泉「なんで!?」 京太郎「霞さんに弁当の買い出しとか、帰りに部の備品の買い出しとか頼まれてたからな」 京太郎「それに今日、結構暑いし」 泉「いや、そういう問題やないでしょ」 京太郎「そうかなー?」 京太郎「あ、そろそろ帰らないと」 京太郎「じゃあ、会えたらまた明日な」 泉「今日はありがとうございました、須……京太郎くん」 京太郎「……あ、ああ、じゃあな、泉」タッタッ バタム 泉「えへへ」 泉「勇気出して呼んでみました、けど」 泉「泉、ですか……」 泉「えへへ」 京太郎「いよいよ明日が俺の大一番か!」 京太郎「頑張るぞ!」 夜 京太郎「お邪魔しまーす」 郁乃「邪魔するなら帰ってや~」 京太郎「じゃあどうしろと」 郁乃「関西人の冗談やで~」 京太郎「そういえば、清水谷さん用に作った藁人形どうしようかな……」 京太郎「持っておくか」 京太郎「エイスリンさん、特訓しましょ!」 エイスリン「イイヨ……」 京太郎「元気ないですけど、どうかしたんですか?」 エイスリン「ナンデモナイデスヨー、ダ」 京太郎「あ、ひょっとして出番がなかったの気にしてます?」 エイスリン「チ、チガワイ!」 京太郎「そのぶん、三箇牧のリーサルウェポンとして活躍しやすいじゃないですか」 エイスリン「Lethal Weapon……イイネ!」 京太郎「明日は頑張りましょう!」 エイスリン「ウン!」 【7月第3週 地区予選1日目】終
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特別編 和とクリスマス ※本編との関係も一切ない特別編です。普段と違う形で書いてます ※メインヒロインは和です。多少キャラのねつ造等がありますので気になる方はスルーでお願いします 京太郎(和と付き合い始めて数ヶ月……今日は待ちに待った12月24日、クリスマスイブ) 京太郎(親父もお袋もちょうどいないが、あの和をどうやってうちに誘うか悩んだ……が) 和『クリスマスイブは……うちに来ませんか?』 京太郎(ぶっちゃけ大チャンスだと思ったね!あの和が誘ってくれるんだし!期待したよ!) 京太郎(なのに……なのにっ!) 和父「…………その皿とコップはこっちだ」 京太郎「…………はい、これですね」 京太郎(なんで俺は和の父親とテーブルの準備してるんだ!!) 数十分前 京太郎「よし、こっちは仕上げだけだな」 和「京太郎くん、これは?」 京太郎「あぁ、そっちはまた食べる前に火を通せばいいだけだ」 和「はい……でも、本当に料理上手ですね。少し彼女として複雑ですよ」 京太郎「和の料理だって美味いだろ。この前の弁当とか、毎日でも食べたいくらいだ」 和「ふふ、御世辞を言っても何も出ませんよ?」 京太郎「本音だって。っと、そろそろテーブルの方準備するか?」 和「そうですね……料理も後は仕上げたり盛り付けたりするものばかりですしね。時間もそろそろですし」 京太郎「そろそろ?何が?」 和「えぇ、実は…」 ガチャ 和父「和、今帰った……ぞ……」 和母「ただいま。あら、料理もほとんどできてるのね」 和「2人とも、おかえりなさい」 京太郎「…………はい?」 和母「あなたが和の彼氏?へー、和が言ってたよりかっこいいじゃない」 和「も、もう!そんなこと言うくらいなら手伝ってください!」 和母「はいはい。それじゃあなた、2人でテーブルの用意よろしくね?」 和「お願いしますね、京太郎くん」 京太郎「…………え?」 和父「…………」 現在 京太郎(何故だ!何故クリスマスイブにご両親と対面からの父親と2人きりという状況にしたんだ和!!) 京太郎(つーかさっきから滅茶苦茶怖いんですけど!なんかプレッシャーやべーんですけど!!) 和父「…………」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎(ただ食器とか置いてるだけだよな?だけだよな!?) 和父「…………京太郎くん、といったかな」 京太郎「は、はい!須賀京太郎です!!」 和父「…………和のことだが」 京太郎「こ、高校生らしい健全なお付き合いをさせていただいておりますっ!!」 和父「…………まだ何も言ってないが、まぁいい」 京太郎(よ、良かったのか?) 和父「もしもの場合はしかるべき対応をするだけだからな」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎(やっぱ良くなかったっ!!) 和父「君も、清澄の麻雀部だったか?」 京太郎「は、はい」 和父「一応試合結果などに目を通してはいる。君の名前は無かったようだが」 京太郎「それは……その、俺初心者で、部でも男子が俺1人な状況で、試合らしい試合も初戦敗退の個人戦だけだからでして……」 京太郎(やべ、言ってて悲しくなってきた) 和父「なるほど……同じ部だから和と親しくなったと……」 京太郎「そ、そうですね」 和父「そうか……最近、いや、9月に入ってから、和は楽しそうにしている」 京太郎「楽しそう?」 和父「あぁ。こちらに残ることが決まってからだ」 京太郎「あぁ……全国制覇してから……」 和父「私は今も和は東京の進学校に行くべきだと思っている」 京太郎「!?」 和父「だが……今のように楽しそうなら、それも悪くないと思っているよ」 京太郎「そ、そうですか」 京太郎(良かったな、和) 和父「だが娘はまだやらん」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「は、はいっ!?」 和父「いいか?和に何かあってみろ。私は弁護士で妻は検察官だ。分かるな?」 京太郎「そ、それはもう!」 京太郎(社会的に抹殺される!!) 和父「……泣かせるような真似をしたら許さんからな」 京太郎「……当然です。和を悲しませるようなことはしません」 和父「……ならばいい」 京太郎(お義父さん……) 和父「それと間違えてもお義父さんと言うな。心の中でもだ」ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「は、はいっ!!」 和「それでは、メリークリスマス、と言うべきでしょうか?」 和母「あんまり気にすることじゃないでしょう?さぁ、食べましょう」 和「ですね。はい、どうぞ」 和父「うむ」 和「はい、京太郎くんも」 京太郎「お、おぅ」 和母「あーん、とかしていいのよ?」 和「も、もう!でも、京太郎くんがいいなら……」 和父「」ギロッ 京太郎「ふ、普通でいいって!ほら、和も食べな」 和「むぅ……では二人きりの時に、ですね」ニコッ 和父「……ほーぅ」 京太郎(和さーん!?なんで今そういうこと言う!?ご両親の前で言っていいの!?) 和母「あ、これ美味しいわね」 和「それ、私が作ったんですよ」 和母「腕上げたわね」 和父「これも中々だな」 和「それ、京太郎くんが作ったんですよ」 和父「……そうか……君が作ったのか」 京太郎「え、えぇ……まぁ」 和「京太郎くん、料理は私より上手で……この前も京太郎くんのおうちでご馳走になってしまいました」 京太郎(今言う!?それ今言っちゃう!?できれば今言っちゃ駄目なことだよね!?) 和父「彼の家で……ねぇ?」ギロッ 和母「いやー、和にこんないい彼氏さんができるなんて、嬉しいわねー」 和「いいんですか?父に送ってもらわなくて」 京太郎「まだそんな遅くないし、大丈夫だって」 京太郎(これ以上和父と同じ空間に居たら胃に穴が空きかねん。さっきもほとんど料理の味が分からなかったし) 和「……その、ごめんなさい」 京太郎「お、おい。なんで謝るんだよ」 和「京太郎くんのご両親が留守だったといえ、私の両親も一緒にクリスマスを過ごしてしまって……」 京太郎(あ、一応悪いって考えはあったんだな) 和「……久しぶりに、父と母も揃う日でしたし……京太郎くんとも居たかったので……」 京太郎「……いいって。和がそうしたかったんなら、そうしてやりたいし」 京太郎「それに……こんな形だけど、和とクリスマス過ごせて俺は嬉しかったし」 和「京太郎くん……」 京太郎「次こういうことになるなら事前に言ってくれよ?ちゃんと、親父さんとお袋さんの好みのもの作るからな?」 和「……はい。でも……」グイッ 京太郎「ちょ、引っ張って…」 和「つ、次は……2人きりがいいです……これは予約ということで……」チュッ 京太郎「……和、今……」 和「そ、それではおやすみなさい」 京太郎「あぁ、おやすみ、和」 和母「もう、そんな顔して。彼なら大丈夫じゃない?」 和父「ふん、どうだか」 和母「少なくともそこいらの男よりはいい男だったわよ?」 和父「……まぁ、それはそうだな」 和父「……だがまだ娘はやらん」 カンッ!!
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【6月第4週 休日】 朝 京太郎「咏に料理を作りに行くか」 京太郎「入るぞー」ガチャ 京太郎「咏ー?」 咏「へ?」マッパ 京太郎「Oh...」 咏「……~~!」 咏「で、出てけー!」 京太郎「気取り直してさ!グラタン作ろうぜ、な?」 咏「……いいよ、別に」 京太郎「じゃあ俺野菜切るから、咏は鮭とか切っといてくれるか?」 咏「わかった…」 京太郎「…」トントン 咏「……」トントン 咏「…なあ」トントン 京太郎「どうした?」トントン 咏「あのさ……私の裸、どう思った?」 京太郎「ブッ!」サクッ 京太郎「いってー、指切っちまったよ…」 咏「ちょっと貸して」 京太郎「え?何を」 咏「いいから…はむっ」 京太郎「待て、なぜ咥える!?」 咏「こうしたら血が早く止まるんだよ、知らんけど」レロレロ 京太郎「そうなのか…なんかくすぐったいな」 京太郎「それで……お前の、裸だっけか」 京太郎「俺は、きれいだと思ったぜ」 咏「え?」 京太郎「きれいだった、色も白くてきれいだったし、身体のラインも幼げできれいっつうか可愛かったし」 京太郎「たしかにお前は身長も、胸もないかもしれねえけど、俺はいいと思うぜ」 京太郎「そのままのお前が、いいと思う」 京太郎「さっきは急に入ったりして悪かったな」 京太郎「それで……お前はいつまで俺の指をなめてるんだ?」 咏「ぷはぁ、ふぅ……」 咏「そっか、えへへ…」 咏「ありがとな、京太郎」 咏「でも、胸が小さいまでは余計だったんじゃねえのかな?」ゴッ 京太郎「ひっ!」 京太郎「しかし、咏のあれは……なんか興奮したな」 京太郎「さてと、今日は何をしよう」 朝 京太郎「二度寝するかー」 京太郎「すぴーすぴー」 京咏「「いただきまーす」」 京太郎「うん、おいしいな」 咏「ま、この咏ちゃんがいれば当然だねぃ」 京太郎「うん、その通りだな!」 京太郎「ところでさ、どうして咏はいつも着物なんだ?」 咏「これかぃ?うーん、趣味みたいなもんかねぃ」 咏「この着物はあんまり高くないし、日常生活で使っても何ら問題ないんだよねぃ」 京太郎「そういえば、着物を着るときは下着を着けないって聞いたことあるけど、お前も着けてないのか?」 咏「うっ……それは……」 京太郎「まあ、都市伝説らしいけどな」 咏「え!そうなのか!?」 京太郎「あれ?知らなかったの?」 咏「うっ……」 京太郎「じゃあ咏は今ノーパンノーブラなのか……」 咏「そ、それ以上言うと、さ、刺すぞ!」 京太郎「えーいいじゃん、どうなんだよー」 咏「うう、うるせー!」ダダダダ 京太郎「よっと」ヒラリ 咏「うわっ」ドシーン 咏「痛てて」 京太郎(し、下がめくれてる……だと?しかも咏の尻はこちらを向いているってことは……) 京太郎「よっしゃ!花園やんけ!」 咏「ほえっ?」 咏「なんか尻がスースーす……」 京太郎「」グッ 咏「ななな///」カァァ 咏「で、出てけー!」 京太郎「Zzz……」 ――――――――――――― 京太郎「岩手に来たぞ!」 京太郎「冬だからか地面が凍ってて滑りそうだな」 ??「うわわっ」コケッ 京太郎「あ、大丈夫ですか?」 ??「う、うん、大丈夫だよ、ありがとねー」 京太郎「よかったら、これどうぞ」つハンカチ ??「いやいや!そんなのいいよー!お気になさらず、ね?」 京太郎「はい」 ??「君、名前は?」 京太郎「俺ですか?俺は、須賀京太郎といいます」 京太郎「あなたは?」 ??「私はねー」 ―――――――――――― 急に、夢が変わった 京太郎「ここは……奈良か、まあ適当に歩いてみるか」 京太郎「桜がきれいだな、お、あんなところに学校がある」 京太郎「きれいな学校だな…でも誰もいないみたいだ」 京太郎「ん?麻雀部?」 ?「わ!ふ、不審者なのです!」バシッ 京太郎「痛っ!」 ?「か、観念するのです!えいっえいっ!」ベシッベシッ 京太郎「痛いですって!人の話を聞いてくださいよ!」 ?「は、はい!」 ?「なるほど、それで君はここに迷ってしまった…と」 京太郎「はい、さっぱりわけがわからないんですよ…」 ?「そういうことなら、私におまかせあれ!」 ?「えーっと、名前、何でしたっけ」 京太郎「須賀です、須賀京太郎」 ?「そうなのでした!それでは須賀君!阿知賀の観光案内はこの―――におまかせあれ!」 そして、夢は終わる ―――――――――――― 京太郎「……ん」 京太郎「なんだか色々な夢を見た気がするな……」 京太郎「ふぁぁ、よく寝たな」 京太郎「さて、昼は何をしよう」 京太郎「散歩でもするかー」 京太郎「こうして、公園に来たわけだけど」 京太郎「昨日雨が降ったばかりだからか、結構水たまりが残ってるな」 京太郎「気をつけないと」 ??「うわわっ」コケッ 京太郎「ぬおっ、大丈夫ですか?」 京太郎(なんだ…この感覚……) ??「う、うん、大丈夫だよ、ありがとねー」 京太郎「よかったら、これどうぞ」つハンカチ 京太郎(まるで、夢と同じじゃないか……) ??「いやいや!そんなのいいよー!お気になさらず、ね?」 京太郎「はい」 ??「君、名前は?」 京太郎「俺ですか?俺は、須賀京太郎といいます」 京太郎「あなたは?」 京太郎(夢はここで変わったが…) ??「私はねー姉帯豊音っていうんだー」 豊音「ありがとねー、須賀くん」 京太郎「いや、俺は何もしてませんし」 豊音「そういえば、須賀くん……んー」 京太郎「どうしたんですか?」 豊音「なんか…今朝見た夢に出てきた人と似てるなーって」 京太郎「え?」 豊音「あはは、ただの気のせいなので、気にしないでー」 京太郎「あの、実は俺も……」 ―――――――――――― 豊音「えっー須賀くんもなのー!?」 京太郎「凄い偶然ですよね」 豊音「凄い!凄いよ!」 豊音「あ、そーだ!はい、これ!」 豊音「これ、私の連絡先!偶然さん同士仲良くしようね!」 京太郎「あ、ありがとうございます」 豊音(やったー!初めて自分から渡せたよー!) 豊音(これと、シロと塞と胡桃、トシさんとあの子の連絡先を合わせて7件目入手だよー!) 豊音「それじゃあ私もう行くね!ばいばい!」 京太郎「姉帯さんか……」 京太郎「なんか俺と似た感じの人だったな」 京太郎「さて、次は何をしよう」 京太郎「買い出しに行くか」 京太郎「魚屋に来たぞ!」 京太郎「今日の晩飯はどうするかな」 商品リスト 鰆 300円 特大マグロ 1500円 煮干し 300円 シュールストレミング 500円 京太郎「少し季節外れだけど鰆にするか」 京太郎「すいませーん鰆くださーい」 オッチャン「あいよ、毎度あり」 京太郎「夜は何をしようかなー」 京太郎「そういえば、麻雀とか勉強以外の目的だとあまりパソコン使ってないよな」 京太郎「久しぶりにやるか」 京太郎「何をしよう」 京太郎「そういえばいつもやってるネト麻のサイトにチャットルームとやらがあったな」 京太郎「行ってみるか」 京太郎「京、でログインして」 京太郎「へー色んな部屋があるんだな」 京太郎「どこに行こう」 【おもち談義部屋】 ドラロー:おもちイズザベスト!みんなでおもちの良さを語り合いましょう! トキ:なあ、おもちじゃなくて太ももの話していいか? ドラロー:もちろん!太ももも、おしりも腋も元をたどればおもちに行き着きますから! トキ:……何言っとるかさっぱりわからん すばらめ:まさか、こんな部屋があったとは……実にすばらです!おもちとは何なのかはわかりませんが、一つのテーマについて皆さんで語り合うという心意気、実にすばらです! ドラロー:それでは第1回おもち談義を始めましょう!1回目のお題は、こちら! 『日本一のおもちは誰?』 ドラロー:要は皆さんの一番好きなおもちを持っている人を挙げていき、その中で1位を決める、というものです! ドラロー:もちろん参考画像もお願いします ドラロー:そして、私の一番は、去年のインターミドル2位の、原村和ちゃん! トキ:ウチはりゅ…千里山の清水谷竜華やな ドラロー:ほうほう、確かにこれは、なかなかのなかなか こーこ:プロの中では断然瑞原プロですよね! トシベェ:そうだねぇ、私の一押しは、宮守の小瀬川白望だね、あれはなかなかの逸材だと思うよ こまきん:私は、元千里山の石戸霞ちゃんですね! トキ:これ…は、いやいやこんなんあり得んやろ…… ドラロー:おもちに限界はありません! 京太郎「なんだか面白そうだな、参加してみるか」 京太郎「そういえば前清澄に行ったときに原村さんから近くの旅館で撮った、とかいう写真を借りてたんだ」 京太郎「あった、これだこれ」 京太郎「これの少し外側に写ってる人のおもちがすばらなんだよなぁ」モゾモゾ 息子「呼んだ?」 京太郎「まだ引っ込んでなさい」 京太郎「名前は確か……松実宥って言ってたっけな」 京太郎「高校は…阿知賀とかだったっけ?」 京太郎「よし」 京さんが入室しました 京:俺の一押しはこの子ですね、松実宥さんっていうらしいんですけど ドラロー:ど、どうしてその画像を!? すばらめ:なるほど、これは確かにすばらです!厚着に隠されたあのおもち、私にはわかります、実にすばらです トキ:まあウチの竜華が一番なんやけどな トシベェ:いやいやシロちゃんの方が こまきん:いいえ!霞ちゃんです! こーこ:瑞原プロです!そうにきまってます! トキ:よし、お前ら麻雀するで、表出ろや、飛ばしたる トシベェ:おやおや、そりゃあいいねぇ こまきん:全力以上で当たらせてもらいます! こーこ:上等です! トキさんが退室しました トシベェさんが退室しました こーこさんが退室しました こまきんさんが退室しました すばらめ:それでは、私も すばらめさんが退室しました ドラロー:ねえ、京さん、少しいいかな? 京:なんですか? ドラロー:ここじゃあれだから ドラロー:これにメールしてくれるかな? 京:わかりました ドラロー:それじゃあまた後で ドラローさんが退室しました 京太郎「退室するか」 京さんが退室しました 京太郎「このアドレスでいいんだよな」 京太郎『京です、どうしたんですか?』 ドラロー『京さん、教えてほしいことがあるのですけど』 ドラロー『どうしてあの写真を持っているのですか?』 ドラロー『あの写真は私たちの宝物なのですけど、どうしてあなたが持っているんですか?』 京太郎「さて、どうしたものか」 京太郎『これ、実は原村さん―真ん中にいる人から預かっているんですよ』 京太郎『なんでも、友達がタコスを落としちゃったらしくって、それで写真が汚れて困っていたんですが』 京太郎『俺、大阪に住んでましてね』 京太郎『原村さん曰く、大阪に写真修復の達人がいるらしくって、その人に修復してもらうために俺が預かってたんですよ』 京太郎『とまあこういうわけです、ところで、あなたは?』 ドラロー『ふぅ~むなるほどなるほどなるほど~』 ドラロー『いやーてっきり京さんが原村さんから強奪したんじゃないかって思っていたのですけど』 ドラロー『私の早とちりみたいでした、ごめんなさい』 ドラロー『私は松実玄っていいます、和ちゃんの右に写ってます』 京太郎『ああ、この原村さんのおもちを狙ってる人ですか』 京太郎『俺の名前は須賀京太郎っていいます、写真はいりますか?』 玄『いえ、いいのです』 玄『大阪に住んでるんですよね?よかったら今週の水曜日に会えませんか?』 玄『お詫びをしたいのですが…』 京太郎『わかりました、水曜日ですね』 京太郎『俺が奈良に行きましょうか?』 玄『いえいえ、私からそっちに向かわせてもらうのです!』 京太郎『いいんですか?』 玄『おまかせあれ!』 京太郎『それじゃあ水曜日の16時に○○駅前に来てくれますか?』 玄『かしこまり~!』 京太郎「次は……ぼっち部屋に行ってみるか」 【ぼっち部屋】 とよねー:ぼっちじゃないよー とよねー:ここは、みんなで1人ぼっちの寂しい思いを分かち合うところだよー とよねー:みんなであったまろうねー 漆黒の堕天使mk.2.13:先週カラーコンタクト失くした…… はるる:私は黒糖を全部親戚に食べられた…… 最強☆ちゃん:私は変態に水筒盗まれていたらしいです…… とよねー:私は今日ようやく連絡先が7件になったよー 最強☆ちゃん:私は12件ですよ! 漆黒の堕天使mk.2.13:私は2件だけ…… はるる:私も親戚で50件だけ… こけしネクタイ:って、おい キング・カズ:ふっ、麻雀に友達など必要ない…… キング・カズ:まあ私も7件揃ったけどな! かいのー:私は4件だけ、もう20歳なのに…… かいのー:ノーウェイ、こんなことは許されない! 京太郎「やっぱり仲間ってものはいるんだな」ジーン 京太郎「さて、どうしよう」 京太郎「よし、俺も参加しよう!」 京さんが入室しました 京:俺だって、誰かと一緒に学校行ったり、誰かと一緒に昼飯食べるなんて、週1であるかないかだぜ…… かいのー:あるある、私も学生時代は誰かいないかなーって思って、レアーな場所で食べたりとかしてたな… 最強☆ちゃん:最近はもっぱらトイレで食べてますけど、あまりいませんね 漆黒の堕天使mk2.13:私に食事など必要では…ない…… こけしネクタイ:クラスメイトで同じ部活の部員がいるのに、毎日どっか行っちゃうし… とよねー:私は屋上で食べてるなー 京:俺も屋上ですね キング・カズ:私は中庭だな、猫とか犬とかと一緒に食べたのがいい思い出だ かいのー:私だって若者にフェイマスな店で食べたりしてるのに誰もよってきてくれない…… はるる:私も屋上……風が気持ちいい みんなで慰めあった! 【6月第4週 平日】 京太郎「今日は松実さんとの約束の日だな」 京太郎「張り切っていこー!」 京太郎「今日は、そのまま制服でいいか」 郁乃「どうしたん~?なんか幸せそうやけど」 京太郎「いえ、なんでもないですよ」 郁乃「そういえば~京太郎くん、どうして部活来ないん~?」 郁乃「せっかく良子ちゃん呼んでるのに~」 京太郎「え!?本当に来てるんですか?」 郁乃「郁乃お姉ちゃんは嘘は吐かへんよ~」 郁乃「あと、良子ちゃん今度の遠征も来るらしいで~」 京太郎「それ、大丈夫なんですか?」 郁乃「うん~確か~」 良子「え、遠征ですか!是非行かせてください!」 郁乃「もちろんええで~」 良子「やった!これでフレンドがインクリーズする!」 郁乃「って、言ってたで~」 京太郎「それは、楽しみですね」 京太郎「そうだ、郁乃さん、大阪の名所とか知ってます?」 郁乃「名所?」 京太郎「はい、俺大阪に来て3か月も経つのにあんまり大阪のこと知らないなーって思いまして」 郁乃「せやな~私のオススメは、海遊館やな~」 京太郎「海遊館?」 郁乃「大きい水族館やで~」 京太郎「へ~、郁乃さんは何が好きなんですか?」 郁乃「ビーバーちゃんとか、カワウソちゃんとかやな~あ、でも一番はクラゲちゃんかな~」 京太郎「め、珍しいですね」 郁乃「そう~?けっこう可愛いと思うんやけどな~」 郁乃「せや!今度一緒に行かへん?」 郁乃「郁乃お姉ちゃんが京太郎くんに大阪を教えたるで~」 京太郎「お、いいですね、じゃあ行きましょうか」 郁乃「うんうん、いこいこ~」 京太郎「昼飯はどこで食べようかなー」 京太郎「今日も屋上に来たぞ!」 ヒュルル 京太郎「あー風が」 ??「きもちいー」 京太郎「え?」 ??「え?」 ??「うわわわ!ソ、ソーリーソーリー」 京太郎「いえいえこちらこそ!」 京太郎「って、あれ、あなたは……」 京太郎「戒能プロじゃないですか!」 京太郎「うわっ!俺、ファンなんですよ!」 良子「ウェイト!ちょっと待つんだ!」 良子「とりあえず、自己紹介からしようじゃないか、物事には順序というものがあるんだ」 京太郎「それもそうですね、俺は須賀京太郎、麻雀部に入っています!」 良子「わ、私は戒能良子、一応プロ雀士…となるのかな?」 京太郎「戒能プロに会えて光栄です!テレビで見るよりもずっとお綺麗なんですね!」 良子「き、綺麗だなんてそんな……」 良子「ところで君は、どうしてここに?」 京太郎「ああ、俺、あんまり人と一緒に食べることなんてないんですよ」 京太郎「だから、誰かいるかもしれないって奇を衒ってここに来てるんですよ」 良子「き、きみ、それはトゥルーなのか?」 京太郎「はい、お恥ずかしながら」アハハ 良子「わ、わ、うわぁ!」ダキッ 京太郎「へ!?」 良子「うわあああん、嬉しいよおおおおお!」ポロポロ 京太郎(なんだこの状況!?戒能プロが俺に抱き着きながら泣いてる!?) 京太郎(こんなところ誰かに見られたら……) 郁乃「良子ちゃんいる~?」ガチャ 良子「うわあああああん!」 郁乃「……」 郁乃「ごゆっくり~」 京太郎(見られたーーー!) 良子「ヒグ…ヒグ……」 京太郎「ハンカチ、要ります?」 良子「うん、センキュー」 京太郎「落ち着きました?」 良子「うん…」 京太郎「えと、いきなりどうしたんですか…?」 良子「実は……私も、その、ぼっちなんだ…」 良子「私…生まれたのは日本なんだけど、3歳から海外に住んでいたんだ」 良子「日本に戻ってきたのは今の君と同じくらいの頃だったかな」 良子「私はクール、というかなんだか素っ気ない態度を取ってるように見えるだろ?」 京太郎「確かに、大会のインタビューとかでもそんな感じでしたね」 良子「だからか、あまり誰も寄り付かなくてな……」 京太郎「それで、今までずっとぼっちだったということですか?」 良子「イエス、これが君の憧れの戒能プロなんだ、幻滅したか?」 京太郎(ふむ……つまり、俺と同類だったのか) 京太郎(何と言おう) 良子「従妹の春は姫様や他の分家の子たちと仲良くしてるのにな…」 京太郎(……うん、そうだよな) 京太郎(一人ぼっちは、寂しいもんな) 京太郎「よし!」 京太郎「それなら!俺が!」 京太郎「戒能プロの友達になります!」 京太郎「心のよ須賀となります!」 京太郎「だから、戒能プロはぼっちじゃないです!」 京太郎「泣かなくてよいのです!」 京太郎「戒能プロの友達は!この須賀京太郎におまかせあれ!」 良子「ポカーン」 京太郎「ど、どうですか?」 良子「ふ、ふふっ、ありがとね須賀くん」 良子「それにしても、ふふっよ須賀って、ふふっ」 京太郎「わ、忘れてください!」 良子「ノーウェイだねー!ふふっ」 京太郎「もう!絶交しますよ!」 良子「そ、それは……」シュン 京太郎「冗談ですよ、そんなことするわけないじゃないですか」 良子「リアリー?」 京太郎「リアリーです」 良子「よ、良かったぁ」グー 良子「あ///」 京太郎「一緒に食べます?弁当は?」 良子「実は、持ってきてないんだ…」 京太郎「じゃあ、はい」つウインナー 良子「いいのか?」 京太郎「友達ですしね」 良子「それじゃ、はむっ」 良子「うん……」ゴクッ 良子「ありがとな、須賀くん!」 郁乃(最近良子ちゃんが伸び悩んでるって松山の監督から相談されてたから) 郁乃(こうして良子ちゃんを昼飯で釣って同志の京太郎くんに会わせてみたけど~) 京太郎「おいしいですか?戒能プロ?」 良子「プロはニードノットだよ、須賀くん」 京太郎「わかりましたよ、戒能さん」 京太郎「じゃあ、連絡先交換しましょうか」 良子「その……どうやってやるのかがわからないんだが……」 京太郎「こうすれば…いいんですよ」ピローン 良子「わ!ありがとう!」 良子「これで5件目ゲットだ!」 郁乃(うん、計画通りみたいやな~) 京太郎「まさか戒能さんと本当に会えるとは思わなかったな」 京太郎「放課後は……」 京太郎「そうだ!松実さんと約束してたんだ!」 京太郎「急がなきゃ!」 京太郎「そうだな、戒能さんも誘ってみるか」 京太郎『戒能さん、俺と俺の友達と遊びに行きませんか?』 京太郎「これでよしっと」 京太郎「松実さんは…まだきてないみたいだな」 時計「まだ15時40分やでー」 ヴーッヴーッ 京太郎「お、戒能さんからだ、なになに」 良子「ま、待ったか?」ハァハァ 京太郎「いえ、大丈夫ですよ」 良子「そうか、良かった」 良子「それで、須賀くんの友達というのは?」 京太郎「もうすぐ来るはずなんですが…あ、来ましたね」 京太郎「おーい、松実さーん!」 玄「き、きみが、須賀くん?」 京太郎「はい、須賀京太郎です」 玄「あれ?なんか前にあったことがあるよーな…?」 玄「って、あ、あなたは!戒能プロ!」 良子「ひっ!」ビビクン 京太郎「どうして俺の後ろに隠れるんですか」 良子「初対面の人は怖いんだ!」 京太郎「そうですか……」 玄「す、須賀くん!その人をこっちに渡そうか!」ワキワキ 玄「プロの中でベストスリーには間違いなく入るおもち、逃がすわけにはいかないよ!」メラメラ 良子「ひぃぃぃ!」 京太郎「先が思いやられるな……」 ――――――――――――― 玄「それで、どこに行くつもりなの?」 京太郎「考えてなかったんですか!?」 玄「いやーそういうのは男の子が考えるものだからねー」 良子「ふっふっふ、お困りのようだな」 京太郎「何か案があるんですか?」 良子「甲子園に行こう!」 玄京「「え~~~!?」」 京太郎「よし!4-33で阪神勝ってる!」 良子「勝てー!タイガース!」 玄「応援はおまかせあれ!」 ポタッポタッ 京太郎「あれ?」 ザーザー 京太郎「雨降ってきましたけど、どうします!?」 良子「このゲームから目を離すなどありえない!」フレッフレッ ポヨンポヨン 玄「その通りなのです!」ジーッ ゲームセット! 玄良「「くちゅん!」」 玄「うぅー」ズズーッ 良子「へっくち」 京太郎「まったく、あんな雨の中で見続けるからですよ」 良子「だってしょうがないじゃないか」 玄「あんなに揺れるおもちが目の前にあったのだから!」 京太郎「はぁ……」 京太郎(松実さんも立派なものを持ってるんだけどなぁ……って!どっちも雨で透けてるじゃないか!) 京太郎(や、ヤバい……これはさすがに) 玄「そ、それじゃあ私は先に失礼するのです!」 京太郎「はい、今日はありがとうございました!」 京太郎「さて……この人、どうしよう」 良子「くちゅんっ!うう、寒い……」 京太郎「とりあえず俺の上着を着てください」 京太郎「戒能さんってどこに泊まってるんですか?」 良子「駅の近くのホテルだけど…くちゅん!」 京太郎「んー、少しおでこ失礼しますね」 良子「ん」 京太郎「熱は無いみたいですけど…」 良子「くちゅん!」 京太郎(心配だなぁ……) 京太郎(どうしよう……) 良子「くちゅん!」 良子「うぅ……なんだか寒い」 京太郎「大丈夫ですか?」 良子「も、もちろんだ!……へっくち!」 京太郎「とりあえず三箇牧に帰ってきましたけど……もう一回熱計ってみますね」 良子「ん……」 京太郎「なんか一気に熱が出てきた気がするんですけど……」 良子「大丈夫だと言ったろ……うっ」フラッ ガシッ 京太郎「もうフラフラじゃないですか」 良子「うぅぅ……須賀くんにこんなところ見せたくないのに……」ボソッ 京太郎「戒能さん、俺の部屋に行きましょう」 良子「ふぇっ!?」 良子「の、ノーウェイ、何を言ってるのか理解できないな」 京太郎「そのまんまです。戒能さん、心配なので俺の部屋に行きましょう」 京太郎「友達の戒能さんに風邪を引かれたら困るんですよ」 良子「友達、そうだよな、じゃあお言葉に甘えよう」 京太郎「そうですか、それじゃ……はい、背中」ポンポン 良子「ん?何をする気なんだ?」 京太郎「戒能さん今フラフラなんで、俺におぶさってください」 良子「む……わかった……」ガバッ 京太郎「よっし……じゃ、出発しんこー!」 良子「須賀くん」 京太郎「は、はい?」 京太郎(何この背中にある柔らかい感触……) 良子「ふふっ、呼んだだけだ」 京太郎「そうですか」 京太郎(見た目通りこれは…なかなかのなかなか) 良子「須賀くん」 京太郎「……」 良子「無視しないでくれよ……」 京太郎「じゃあどうしろと」 京太郎「それで、何ですか?」 良子「今日は、色々とありがとうな」 良子「友達になってくれて、一緒に昼を食べてくれて、遊びに連れて行ってくれて」 良子「本当にありがと……」 京太郎(ん?) 良子「すぅ……」 京太郎(言い切ってないのに寝た!?) 良子「すぅ……」 京太郎(寝息が首に当たって……こう、変な気分になるな) 京太郎「はい、着きましたよー」 良子「ん……ここ、が部屋?」 京太郎「はい、汚くてすみません」 良子「ノーウェイ、そんなことはないよ」 京太郎「そうだ、俺にできることって何かありますか?」 良子「そうだな……」 良子「いや、特に無いな」 京太郎「そうですか、じゃあこれ俺のですけど着替えてください」 京太郎「そんなに濡れたスーツじゃ、また冷えちゃうんで」 良子「わかった、脱衣所を借りるな」 京太郎「はい」 ガララ 京太郎「さーてと、布団敷いておくか」 二人は幸せな夜を過ごしました 【6月第4週平日】終 【6月第4週 遠征1日目】 チュンチュン 京太郎「朝だ!」 良子「……ん」 京太郎「もう2日間もここにいるよこの人……」 京太郎「集合時間は8時か、それで今は6時半……」 京太郎「よーし、みんなを起こしにいこー!」 京太郎「よし!憩さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part8】デデーン! 京太郎「今回は!我らが部長、荒川憩さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「ちなみに前回のターゲットも憩さんでしたね~」 憩「……あっ……そこ…」 京太郎「一体どんな夢を見ているのか、俺、気になります!」ヒソヒソ 京太郎「今回は憩さんの声を使って耳元で口説いてみようと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、憩さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「このレコーダーを使って……」 憩『ウチは、憩、の、み、そ、し、るを、毎日、飲みたい!』 憩『I、し、照』 憩「う……んっ…」 憩「あっ……いっ……」 京太郎「おーっと、まだ起きないようですねー」ヒソヒソ 京太郎「それでは次の作戦です」 京太郎「次は、憩さんのおもちをこねて、起こしたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、失礼しまーす」ヒソヒソ 京太郎「えいっ」フニュッ 憩「あっ」 フニュフニュフニュフニュ 京太郎「おお、やわらかい……これがおもちというものなのか……」フニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュ 憩「あっ、あっ、んっ、あっ」 京太郎「もっと、もっとだ!」フニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュ 憩「あんっ、……」 京太郎「やめられない止まらない」フニュフニュフニュフニュ 憩「んっ……きょ、あっ、たろっ、くっん」 京太郎「あ~きもちいい~」フニュフニュフニュフニュ 憩「なに、あっ、して、んっ、るんっ?」 京太郎「え?」フニュフニュフニュフニュ 憩「あっ、はあっ、もうっ、だぁっ」 京太郎「ド、ドッキリ、大・成・功!」フニュッ 憩「めっ、あっ………」 憩「はぁっ……はぁっ…」 京太郎「……それじゃあ、撤退!」 京太郎「よし!咏を起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part9】デデーン! 京太郎「今回は!我がロリっこ、三尋木咏ちゃんに、ドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 咏「……ん……すぅ…」 京太郎「小さいなー可愛いなー」ヒソヒソ 京太郎「今回は咏の髪をとかして、起こしたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、咏さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「今回はこのくしを使いまーす……」 京太郎「そーっと」サッー 京太郎「頭撫でながらやるか」ナデナデ サッー 咏「えへへ……」 咏「……すぅ…」 京太郎「どうやらまだ起きないようですねー」ヒソヒソ 京太郎「それでは次に参りましょう」ヒソヒソ 京太郎「ここにあるのは、あの赤ちゃんが口に咥えるあれですね」ヒソヒソ 京太郎「咥えるって妙にエロいですよねー」ヒソヒソ 京太郎「それでは、装着させまーす」 咏「……すぅ」 京太郎「何この生き物……かあいい」 京太郎「まだ起きませんねー」ヒソヒソ 京太郎「じゃあ次ー」 京太郎「それじゃあ耳をはむはむしまーす」ヒソヒソ 京太郎「はむっ」 京太郎(女の子のあのいい香りがする……) 京太郎(舌も入れてみるか) レロッ 咏「んっ……」 京太郎(この汗の混じった塩っぽい味、いいな) 京太郎(もうちょい……) 咏「あっ……」 京太郎「まだ起きないようでーす」ヒソヒソ 京太郎「次はどうしましょうかねー」 京太郎「ぷはっ、次は咏に自身の靴下の匂いをかがせようと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「まずは靴下の調達ですねー」ヒソヒソ 京太郎「ということで、洗濯物をあさりまーす」ゴソゴソ 京太郎「早速見つかりましたー、お」 京太郎「この……三角形の布は……」ゴクリ 京太郎「後で考えよう、うん」ポケットニシノッ 京太郎「それでは、咏に靴下の匂いをかがせたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「咏は靴下もいい匂いがするんだなー」 咏「……ん…う……」 咏「もう食べられないぜぃ……」 京太郎「まだ起きないのか……」 京太郎「まずはあれを戻しておこう」 京太郎「今度は油性マジックを用意しましたー」 京太郎「うわっ、手が滑ってしまった!」 京太郎「なんかグチャグチャになっちゃったけど……これ、雌奴隷って読めちゃうんじゃ……」 京太郎「まあ、いいか……(震え声)」 咏「……ん」パチッ 京太郎「あれ、とうとう起きちゃった?」 咏「起きた……けど、京太郎がなんでここにいるのかがさっぱりわっかんねーんだけど」 京太郎「あ、忘れてた、ドッキリ大成功!」 咏「ドッキリ……?前のあれか?それが……」 咏「私の靴下に、赤ちゃんのアレ?」 咏「おでこにもなんか……」 サッサッ 咏「さて、これはどういうことか説明してもらおうかぃ?」 京太郎「え、えーっと……撤退!」 咏「待てや!こらーーーー!」 京太郎「よし!エイスリンさんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part10】デデーン! 京太郎「今回は!我が天使、エイスリンさんに、ドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ エイスリン「……ウウン……ハァ…」 京太郎「咏に負けず劣らずの可愛い寝顔でーす」ヒソヒソ 京太郎「今回はこのこんにゃくを使って、エイスリンさんを起こしたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「よっと」ペタッ エイスリン「ンッ……」 エイスリン「cool……」 京太郎「まだ起きないようでーす」ヒソヒソ 京太郎「お次は、こちら!」 京太郎「さてと、お次はこのとげをちゃんと取ってある白薔薇でエイスリンさんの周りを埋め尽くしまーす」 京太郎「えいっ、えいっ」 京太郎「ふぅ……やっと終わった」 エイスリン「……ンン…」 エイスリン「ンン……アリエマ……センナ……」 京太郎「まだ起きないようでーす」ヒソヒソ 京太郎「それじゃあ次いってみよー」 京太郎「じゃあまたおもちをこねますか」 京太郎「えいっ」モニュッ エイスリン「ンッ……」 京太郎「お、おおおお」モニュモニュモニュ エイスリン「ンッ…アッ……」 京太郎「憩さんと同等、もしくはそれ以上の柔らかさだ……」モニュモニュモニュモニュモニュモニュ エイスリン「ハアッ……ンッ…アッ……」 京太郎「手が、手が止まらないィ!」モニュモニュモニュモニュモニュモニュ エイスリン「アッ、スガッ、クンッ?」 京太郎「あれ、起きちゃいました?」モニュモニュモニュモニュモニュモニュ エイスリン「ナ、ナニッ、シテンッ、ルノッ」ハァハァ 京太郎「見てわかりませんか?ドッキリですよ」モニュモニュモニュモニュモニュモニュ エイスリン「ドッ…キリッ?」ハァハァ 京太郎「もう終わりますからねー」モニュモニュモニュモニュモニュモニュ エイスリン「アンッ、アッ、ンッ、アッアッアッアッ、ヒグッ」 京太郎「ていっ」モニュ エイスリン「アアァァ……」 京太郎「ドッキリ大・性・功!」 エイスリン「ハァ…ドッキリ…ハァ…」レイプメ エイスリン「ハァ……ハァ……」 京太郎「また寝ちゃったみたいだな」 京太郎「それじゃあアイマスクをつけよーっと」 エイスリン「ハァ……ンッ…ハァ…」メカクシ 京太郎「なんか……そそるな」ゴクリ エイスリン「ン……」 京太郎「起きました?」 エイスリン「ウン……」 京太郎「どうかしました?」 エイスリン「…」カキカキ バッ |京太郎がエイスリンを犯している絵| エイスリン「ユメニデテキタ…」 京太郎「そうですか、嫌な夢でしたか?」 エイスリン「ウン、It was sad.」 京太郎「安心してください、俺はそんなこと(もう)しませんから」 エイスリン「ウン!ソウダヨネ!」 京太郎「もちろんですよ」ニコッ 京太郎「よし!郁乃さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part11】デデーン! 京太郎「今回は!我が……新入部員、赤阪郁乃さんに、ドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 郁乃「……あ~…」 京太郎「良い寝顔なんですけど、何かが……」ヒソヒソ 京太郎「今回はこの前絹恵さんからもらった洋榎さんの目覚ましボイスを使って、郁乃さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「ポチッとな」 洋榎『おい!起きろ!はよ起きんかこのボケェ!』 洋榎『はよ起きんと、あんなことやこんなことするで!』 洋榎『え、なんやそれ?え、えーっと……チ、チュー…とか?』 郁乃「……」 郁乃(起きてへんで~) 京太郎(うん、起きてないみたいだな、ん?) 京太郎「何か今……ま、いっか」 京太郎「さて次次ー」 京太郎「次は真瀬さんからもらった、えーっと、すえ、はらさんの目覚ましボイスで起こしまーす」ヒソヒソ 郁乃「!」 京太郎「なんか、シリーズ化してるらしいな、今度絹恵さんと真瀬さんの分ももらってみるか」 京太郎「それじゃあポチッとな」 恭子『はぁ…はよ起きてくれませんか?起きないと、いろんなことしちゃいますよ?』 恭子『例えば、おでこに「恭子」って書いたり、そ、それと……』 恭子『そ、それでも起きないんやったら……お、おそ、襲っちゃいますよ///』 郁乃「!!!!」 京太郎「やっぱり起きないか……」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ 京太郎「な……」 郁乃「なあ京太郎くん~その音声私にもくれへん~?」 京太郎「は、はい!」 郁乃「おおきに~グヘヘ」 京太郎「よし、外に行こう」 京太郎「みんな集まってるだろうしな」 霞「あ、みんな揃ったみたいね」 郁乃「えへへへへへ~」オソッチャイマスヨ オソッチャイマスヨ オソッチャイマスヨ 京太郎「もう大丈夫ですか?」 良子「ああ、オーライだ」 エイスリン「ウタ、オデコドウシタノ?」 咏「少し熱っぽくってねぃ」ジトッ 憩(あの後3回くらいやってしもた……ウチは淫乱や……) 霞「それじゃあ東京にしゅっぱーつ!」 京太郎「あれ、照は来ないんですか?」 霞「うん、やっぱり古巣には行き辛いんじゃないのかしら」 京太郎「そうですか……」 ―――移動は省略―――
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――教室―― 京太郎「ハーレムだぁ?」 モブ男1「だってそうだろ?女子5人に男子一人とか、これをハーレムと呼ばず何と呼ぶんだ?」 モブ男2「しかもあの巨乳美人原村さんに、陰で評判の学生議会会長。ほかの部員もかわいいじゃんか」 モブ男1「うらやましすぎだろお前」 京太郎「ハァ……」 モブ男2「なんだよ」 京太郎「いや、お前たちは何も分かってないんだなぁと思っただけだよ……」 モブ男1「何がだよ。どっから見ても勝ち組だろお前」 京太郎「……そろそろ部活の時間だから行くわ。じゃあな」 モブ男2「尻に敷かれたりしてんのかな、アイツ」 モブ男1「あぁ、そう言えば部の中じゃ一番麻雀弱いらしいな。雑用係でもやらされてるんかな」 モブ男2「それにしたって恵まれてるだろ」 モブ男1「全くだ」 京太郎(あいつらは全く何も分かっちゃいない) 京太郎(確かに俺が麻雀部にいるのは女の子が目的ではある) 京太郎(しかし、しかしだ、麻雀部は俺にとってのハーレムなどでは断じてない) 京太郎(そもそも俺があの中の誰かとくっつくということすら万死に値するタブー) 京太郎(俺は唯の観察者でなくてはならない) 京太郎(そう、百合の花を愛でる1人の百合男子として!) 京太郎「すいません、遅れました」ガチャ 優希「遅い! 犬としての自覚が足りてないじぇ!」 京太郎「自覚も何も、俺は犬じゃないからな」 優希「何を寝ぼけたことを。お前は私専属のタコス犬だじぇ!」 京太郎「タコス犬って、お前……」 和(バター犬の仲間のように聞こえます……) まこ「まだ部長も来とらんけぇ、大丈夫じゃ」 咲「今から麻雀やるつもりだったんだけど、京ちゃんもやる?」 京太郎「いや、俺はネット麻雀してるからいいよ。それに全国に出るやつが優先的に打った方が良いだろ」 優希「調教の効果が出てきたみたいだな。自分の立場を良くわきまえてるじぇ」 和「ゆーき、須賀君の気遣いにそんな事を言ってはいけません」 咲「じゃあお言葉に甘えて、さっそく4人で始めようか」 京太郎(そう、俺が麻雀部に入った理由……それは女子たちが育む百合の花を愛でるため) 京太郎(始めは和に目をひかれていた。あんな可憐な少女こそ女の子とくっつけば良いのにと。が、和と絡む優希を見て確信した) 京太郎(俺の青春の全てはあそこにある、と) 京太郎(人数が少ないために出来上がるカプの種類は多く無い) 京太郎(しかしそれでも不純物(男)無しで美少女達が集まっている空間が何ものにも代えがたい楽園であることに変わりは無い) 京太郎(それに何より、麻雀部に入ってからは数々の嬉しい誤算があった) 京太郎(その一つが……) 和「しかし、やるべきことはきちんとやっているはずなのに、全国が近付いてくるにつれてやっぱり不安になってきますね……」 咲「大丈夫だよ!原村さんが頑張ってるのは確かだし、それに原村さんの強さは私たちが一番よく知ってる」 咲「だから自信を持って!一緒に優勝目指そうよ!」 和「宮永さん……」ポッ 京太郎(こ れ だ !) 京太郎(始めはカプの組み合わせが増えれば重畳、くらいに思って咲を無理やり誘ったわけだが) 京太郎(それによって和が覚醒することになろうとは!) 京太郎(まさかの原村和ガチ百合ルート!) 京太郎(俺はこのときほど咲と幼馴染で良かったと思ったことは無い!!) 京太郎(ありがとう咲!俺の人生の中で、お前は今が一番輝いて見える!) 京太郎(ちなみに、のど咲よりも咲のどの方が萌え度は高い) 京太郎(確かに百合における積極性もといガチ百合度は一見すると和の方が高いように見える) 京太郎(しかし和はお嬢様育ち。そして恐らく恋愛自体今まで経験がなかったに違いない) 京太郎(そんな彼女はある少女と衝撃的な出会いをした) 京太郎(始めは強い拒否感を示しながらも、徐々に打ち解け、今では同じ部で共に全国大会優勝を目指す仲間に) 京太郎(しかし彼女の中には友情だけでは説明できない感情が生まれてはじめていた) 京太郎(しかし恋愛経験のない和にはそれが何を意味するのかが分からない) 京太郎(そもそも箱入りに近い環境で育った彼女には同性間に恋愛感情が発生するということが分からない) 京太郎(悶々としながら日々を過ごす和。しかし咲は気づいていた。和が自分に惹かれていることに! 京太郎(自分の気持ちに名前を付けることが出来ないでいる和を煽るように、彼女に対してさりげなく) 京太郎(しかし確かなアプローチを続ける咲) 京太郎(やがて和は原因不明の感情を抑えることが出来ず、先に対して溢れる涙と共に感情を爆発させる) 京太郎(自分で何を言っているのか分からない和を咲はそっと抱き締め、愛の言葉を囁く) 京太郎(その時初めて、自らの感情が本来同性間に存在してはいけないものだと知る和。狼狽する和を咲はやさしくなだめる) 京太郎(自らに強い執着心を抱きながら、それを制御できずにいる和への愛しさが溢れ、咲は和をゆっくりと押し倒した……) 京太郎(和に対して友情以上の感情を持ち合わせていなさそうな咲が) 京太郎(実のところ心の中では舌なめずりをしている状況だというのがこのカプの醍醐味) 京太郎(相手の好意を知りながらその気持ちを持てあそぶ) 京太郎(すばらしい!) 京太郎(普段の行動から素直に和咲というのも確かに良いが、やはりこちらの方が刺激的だ) 京太郎(咲の温厚な性格からは考えられない黒い一面――小悪魔要素というスパイスを加えることで味わいが増す) 京太郎(ここまで実りあるカプはめったにお目にかかれなかった) 京太郎(そう、長野の地区予選までは……) 久「ごめんね、遅れちゃった」 まこ「おう、お疲れ様」 久「さて、みんなに話があるんだけど、ちょっと良いかしら?」 咲「なんですか?」 久「実は今度、県予選決勝に出た四校で合同合宿を開こうと思ってるの」 まこ「ほぉ……」 和「それはまた、大きな催しですね」 久「龍門渕と風越は文句なしの全国クラスだし、それと渡り合った鶴賀もかなりの実力がある」 久「私たちにとって練習になるというのもあるけど、個人戦で全国に出場する風越」 久「それと来年も大会に出る他の1、2年生にとっても悪い話ではないはずよ」 久「今はまだ参加の意思を確認している段階だけど、もしみんなが参加してくれるようなら、全国前のこれ以上ない訓練になるわ」 久「ということで、それに備えていろいろと準備があるから、しばらく私は部活にちょっと顔を出すだけになると思うの」 久「みんなの方でも練習メニューなんかに関して何か思いついたことがあったら、何でもいいから言ってちょうだい」 優希「龍門渕も参加するということは、あのタコス泥棒も参加するってこと……」 優希「ふっふっふ……早くも復讐の機会が訪れたようだじぇ!」 咲「あはは、復讐っていうのはともかく、またあの人たちと打てるって言うのは嬉しいな」 和「ええ、私も楽しみです。皆さん手強い相手になりそうですから」 京太郎(き…………) 京太郎(きたああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!) 京太郎(4校揃って合同合宿!!) 京太郎(県予選決勝戦で熱い戦いが繰り広げられたことは記憶に新しい) 京太郎(しかし、俺にとっては麻雀以外の面でも非常に熱い大会だった) 京太郎(まずは風越!) 京太郎(キャプテンの福路さんが部長に向けていた眼差し……) 京太郎(あれは間違いなく恋する乙女のそれだった!) 京太郎(しかしそのキャプテン自身が、名門風越の中でのアイドル的存在だった!) 京太郎(少し垣間見ただけでもわかる、あの包み込むような慈愛のオーラ) 京太郎(レギュラーメンバーに対する気遣いから普段の彼女の行動は容易に想像できる) 京太郎(そしてその優しさによって、部員たちは皆キャプテンに対して圧倒的な信頼と好意を抱くことになる) 京太郎(しかしそのキャプテンが想いを寄せていたのは、よりにも寄ってライバル校である清澄を率いる竹井久だった) 京太郎(熱い!熱すぎるぜ!) 京太郎(許されざる禁断の恋、まさにロミオとジュリエット!) 京太郎(風越は百合の園としても名門だったな) 京太郎(そして清澄と同様に無名の状態で決勝に進出した鶴賀) 京太郎(ここも見逃すことのできない勢力だった) 京太郎(百合を求めて彷徨っていたら、偶然見かけたあの光景) 京太郎(決勝戦敗退後の鶴賀の大将と副将の会話) 京太郎(「消えてもいい」と言われた時の大将のあの表情……) 京太郎(そこですかさず「先輩を探し回ってみせる」と言ってのける!) 京太郎(まさに落として上げる、のコンボ!) 京太郎(しかし、このあとがさらに問題だった) 京太郎(まさか「なんとしてもその口を閉じさせる」と来るとは!) 京太郎(これは! つまり!!) 京太郎(自らの口で塞ぐということにほかならないっ!!!!!) 京太郎(あれはやばかった……) 京太郎(間違いなくあの二人はガチ) 京太郎(今まで生きてきた中で間違いなくトップクラスの名シーンだった) 京太郎(ウロウロしていたせいで、咲と和の決勝後再会シーンからハブられる結果となってしまったが) 京太郎(それはともかく、あの関係に至るまでのプロセスに強大な萌え要素が含まれているはずだが) 京太郎(いかんせんその情報を仕入れる手段がない) 京太郎(そこに来て今回の合宿!) 京太郎(親交を深め情報網を新設するまたとない機会だ!) 京太郎(龍門渕も見過ごすことのできない勢力だし、是非とも情報を手に入れたい) 京太郎(中堅のタトゥーシールの娘) 京太郎(あの手錠は一体何のためにしているんだ?) 京太郎(もしかしたらあれは、SMプレイの一貫なのかもしれない!) 京太郎(となると、あの中の誰がかご主人様になるわけだが) 京太郎(小学生にしか見えない大将との絡みで、ロリ百合展開も捨てがたいが、やはり和と戦った副将のお嬢様が妥当だろう) 京太郎(名前も龍門渕っていってたし、理事長の家系の人間であることは間違いない) 京太郎(身分違いの恋は、所有という歪んだ形での関係を二人に強いる……) 京太郎(うむ、すばらだ) 京太郎(こういった妄想の燃料に事欠かない環境) 京太郎(これこそ麻雀部に入って良かったと思える最大の理由だ!) 京太郎(なぜか麻雀部の人間は、どこの高校もレベルが非常に高い!) 京太郎(間違いなく俺は今人生の絶頂期にいる!) 久「じゃあ私はまだ準備があるから、あなたたちはとりあえず練習しててちょうだい」 久「段取りが決まったら、また連絡するからね」 まこ「おう、手伝えることがあったらいつでも言ってくれて構わんからな」 優希「いょし!早速妥当ノッポを掲げて特訓するじぇ!」 優希「京太郎!すぐにタコスの補充をして来い!」 京太郎「自分で行けよ、俺は今対戦中だ」 和「ゆーき、わがまま言ってはいけませんよ」 和「もうすぐこっちが終わりますし、そのあとで一旦買い行きましょう」 優希「のどちゃん、ついてきてくれるのか!さすがだじぇ、どっかの駄犬とは違うな!」 京太郎「結構結構、タコスのパシリよか駄犬の方がましだからな」 優希「自分の立場を理解していると思ったらこれだじょ」 優希「まったく、調教が足りなかったのか?」 和「ゆーき、早く終わらせて買いに行くのでしょう?」 優希「そうだったな、じゃあ行ってくるじぇ!」 京太郎(……すっかり忘れていた) 京太郎(最近の咲和に押されて目立たないが、この二人のカプもアリだよな) 京太郎(むしろ咲が来るまでは主力だったし、いまでも垣間見えるその輝きは失われていない) 京太郎(しかも聞くところによると、和が清澄に入ったのは優希と離れたくなかったからだそうだ) 京太郎(これはまごうことなきとびっきりの百合!) 京太郎(百合場面名鑑収録『あなたがいないなんて考えられない』だ!!) 京太郎(そして無事に同じ学校に入学する二人だったが、優希と共にいるために入ってきたはずの和は新しい出会いを果たしす) 京太郎(そしてそちらの方に夢中になってしまう。一方、和が自分のことを追って清澄に入ってきたことに気づいていた優希だが) 京太郎(今までの友情が変化してしまうことを恐れ、それにあえて気づかないふりをしていた) 京太郎(しかし和の目が一旦咲に向き始めると、優希の心には原因のわからない重苦しい気持ちが募ってくる) 京太郎(日に日に仲が良くなっていく和と咲。和の気持ちに答えるつもりはなかったはずなのに) 京太郎(彼女の気持ちが自分から離れたとたん彼女のことを意識してしまう自分に嫌気がさす優希) 京太郎(そしてある日、彼女は目撃してしまう。和が咲にキスをしようとしている瞬間を!) 京太郎(……ふぅ、ここから先は純愛失恋ルートか逆転優和ルート、はたまたタコスヤンデレ化ルートと選り取りみどりだ) 京太郎「ほんと麻雀部は天国だぜ」 まこ「ん?天国?」 京太郎「あっいや、ほんとに麻雀って楽しいなーって思いまして……」 まこ「なんじゃ、京太郎の今の状況を考えると、こっちが申し訳なくなるの……」 咲「京ちゃん……ごめんね雑用ばっかりやらせちゃって……」 京太郎「いや、そんな、悪いよ。それに皆は全国があるだろ?その手伝いが出来るだけで俺は満足だよ」 咲「京ちゃん……」 京太郎「だからさ、先はその分頑張ってくれよ」 京太郎(主に和との絡みをな) 咲「うん!私頑張るよ! 京ちゃんのためにも頑張って優勝するから!」 京太郎「よし、その意気だ! 絶対優勝杯をもって帰れよ!」 久「じゃあ、優勝杯を持って帰るために、卓の空きを須賀くんに埋めてもらおうかしら」 まこ「もうネトマも終わっとるみたいだしのう」 久「もっとも須賀くんが搾取されるだけで終わるだろうから、あまり効果的な練習にはならないでしょうけど」 京太郎「ひどっ! それはあんまりじゃないですか部長!」 咲「部長の言うとおりかも……」 京太郎「咲……お前は俺を見捨てるのか……」 京太郎「わかったよ、俺はもう何も期待しないさ……」 咲「わわっ、じょ、冗談だよ京ちゃん!」 ***************** 京太郎「流石にもうトバされ慣れてきましたよ」 京太郎「メンタルだけは鍛えられましたね!」 まこ「単に向上心が無くなっただけと違うんか……」 久「負け犬根性が染み付いてきたみたいね」 咲「京ちゃん! 諦めちゃダメだよ!」 京太郎「俺から点をがっぽりとっていったのはどこの誰だっけなぁ?」 咲「そ、それは……手加減ずるのは失礼だと思ったからで……」 京太郎「わかってるよ、俺が雑魚すぎるだけだってな」 久「須賀くん、あんまり自虐ネタに走るとみっともないわよ」 久「ところで明日は土曜日だけど、須賀くんはいつもどおり欠席?」 京太郎「あ、はい。 龍門渕に行くので」 まこ「雑用のレベルを超えて、最近は本当の執事に近づきつつあるのう」 久「足繁く通っているわよね。本当に執事になるつもりなの?」 久「それとも龍門渕に気になる子でもいるのかしら」 京太郎「ちょっ、部長!」 京太郎(気になる子……間違ってはいないな) 京太郎(あのお嬢様とタトゥー意外にも、可能性はまだまだ秘めているしな) 咲「え……京ちゃん龍門渕に好きな子がいるの!?」 咲「いったい誰が……や、やっぱり胸の大きさを考えると、あのメガネの……」 咲「はぅ! まさか衣ちゃんとか!?」 咲「それともツンデレ系狙いで龍門渕さんだったり……」 京太郎「おい、俺が割り込んでどうする!」 咲・久・まこ「?」 京太郎「い、いや、そうじゃなくてだな」 京太郎「合宿の時は人数も揃うだろうし、ハギヨシさんに徹底的に立ち回りを仕込んでもらおうと思ってさ」 久「え? 須賀くんはお留守番よ?」 京太郎「…………は?」 京太郎「いやいやまさかそんなおれだけのけものなんてそんなことをやさしいぶちょうがするなんてじょうだんですよねそうですよね」 久「まさか参加できると思ってたの? 身内だけならまだしも、ほかの生徒が居るところに一人だけ狼を放つ訳にはいかないでしょう」 京太郎「」 まこ「完全に魂が抜けおったぞ」 咲「京ちゃん、そんなに他の娘たちに会えないのがショックなの……?」 久「無駄よ咲、完全に意識を失っているわ」 まこ「もう部活も終わりなんじゃが、どうするコレ」 久「とりあえずこの部屋の外に出して置くだけで良いんじゃない? この部屋に鍵さえかかれば問題ないでしょ」 咲「京ちゃん……」 優希「ただいま帰ったじぇ!」 和「すみません、私が途中でタコスを落としてしまって」 優希「まったくだじぇ! そのデカパイでタコスを叩き落とすなんて」 和「で、ですから何度も謝ったじゃないですか!」 優希「そのおっぱいを半分分けてくれるなら、もう何も言わないじぇ」 和「無理です!」 優希「って、おっぱいの話をしたのに京太郎の反応がないじぇ?」 和「そういえばさっきから微動だにしてませんね」 まこ「気にせんほうがええ、夢やぶれた男の残骸じゃ」 久「みんな、コレを外に出すの手伝って頂戴。まったく、余計な手間をかけるさせるなんて雑用失格ね」 まこ「いや、京太郎はそもそも雑用じゃないじゃろ……」 咲「部長、持ち帰っても良いですか?」 和「!?」 久「良いけど、私は手伝わないわよ? 自分だけで持って帰りなさい」 咲「うーん、それじゃあ無理か……また今度の機会に」ブツブツ 和(京咲なんてSOA) 和(宮永さんに野蛮な男なんて論外です!) 久「じゃあとりあえず、コレを外に出して帰りましょうか」 久「下校時刻も過ぎてることだしね。 あとは用務員さんが何とかしてくれるでしょ」 ***************** 用務員「君、大丈夫かい! ほら、起きなさい!」 京太郎「はっ!」 用務員「やっと起きたか。一体どうしたんだい、こんなところで」 京太郎(俺は一体ここで何を……) 京太郎(咲と和がカナダで結婚式を挙げて……) 京太郎(そして咲と和、二人にそっくりな双子の女の子が生まれたんだったよな……) 京太郎(世界初のiPS細胞による同性間の出産だからって、世間から色眼鏡で見られて) 京太郎(それでも二人の絆が解けることはなく) 京太郎(やがて女性同士の婚姻が世界的に一般的になっていった……) 京太郎(…………) 京太郎「って、ちがああああう!!」 用務員「」ビクッ 京太郎(俺が合宿に行けないだと!? そんな馬鹿なことがあってたまるか!!) 京太郎(なにか、なにか現状を打開する方法はないのか!?) 京太郎(どんな方法でもいい! 手段は選んでいられないんだ!!) 京太郎「………………はっ!」 京太郎(そうだ、この手があった!!)ダッ 用務員「あっ、おい君!」 ――龍門渕家―― 京太郎「ハギヨシさん!」 ハギヨシ「来ましたか。いきなりの連絡、驚きましたよ」 ハギヨシ「しかし、そんなに慌てている貴方を見るのは初めてですね。一体なにがあったのですか?」 京太郎「ハギヨシさん……いえ、萩原さん、どうしても聞いていただきたいお願いがあります」 ハギヨシ「お願い…ですか」 京太郎「萩原さんのその技術……誰からも気配を悟られずにいるその術を、俺に伝授してください!!」 ハギヨシ「……!」 京太郎「今日まで何の見返りも差し出せずに、ただただ様々な技術を教えて頂いてきた上で」 京太郎「このようなお願いをするのが失礼にあたることは重々承知しています」 京太郎「だけど、それでも……どうしても成さなければいけないことがあるんです!」 ハギヨシ「京太郎君……」 京太郎「…………」 ハギヨシ「……わかりました。その目、その気迫、よほどの事情があっての事なのでしょう」 ハギヨシ「京太郎君、私は貴方の才能に惚れ込んで、私の持てる全てを授けようと考えていました」 京太郎「……え?」 ハギヨシ「それが少し早まっただけのこと」 ハギヨシ「分かりました、我が萩原家に伝わる奥義の一、『孤塁立』を伝授いたしましょう」 京太郎「あ、ありがとうございます!!」 ハギヨシ「修行は今までのものが児戯に思えるほど厳しいものになります」 ハギヨシ「覚悟はよろしいですか?」 京太郎「たとえこの身が灰になろうと、必ず成し遂げてみせます!」 ハギヨシ「分かりました。では今日から泊まり込みで修行をしていただきます」 ハギヨシ「ご両親の許可は取っておいて下さい」 京太郎「はい! よろしくお願いします!」 ~1週間後~ ――合宿所―― 華菜「4000・8000! 裏はめくらないでおいてやる!」 久「あなたのとこのキャプテンはいいわねえ」 カツ丼「あと一人」 京太郎(…………) 京太郎(完璧だ……!) 京太郎(ここまで気づかれる気配が微塵もないとは) 京太郎(ハギヨシさん……いや、師匠! ありがとうございます!) ~京太郎が龍門渕を訪れた翌日~ ――善光寺―― 京太郎(あれから一晩龍門渕で過ごし、学校をサボって今ここにいる) 京太郎(一体何が始まるんだ?) ハギヨシ「では京太郎君、これから修行を始めます」 京太郎「はい……でもこんなとこで一体何をするんです?」 ハギヨシ「ふふ、山奥の秘境のようなところで修行をすると思っていましたか?」 ハギヨシ「確かに、萩原流の中にはそういった場所での修行の方が適している技も多くあります」 ハギヨシ「しかし、今回あなたに伝授するのは、大雑把に言えば「人の目に留まらないための技」です」 ハギヨシ「よって、人がいなければ修行にならないのですよ」 京太郎「……そうですね! 失念していました!」 ハギヨシ「では改めて」 ハギヨシ「京太郎君、今からあなたには、この善光寺前の通りを往復してもらいます」 京太郎「…………は?」 ハギヨシ「それも、ただ歩いて往復するわけではありません」 ハギヨシ「この時間帯、観光客の数がピークに達しているため、非常に混雑しています」 ハギヨシ「この人ごみの中を、全力疾走で往復してください」 京太郎「は、はぁ……」 ハギヨシ「では行きます」 ハギヨシ「3,2,1、スタート!」 京太郎「え、あ、はい!」ダダッ 京太郎(一体なんなんだこれ……って、やば!) ドンッ! 京太郎「す、すみません!」 おばさん「ちょ、気をつけてよ!」 京太郎(ヤバイヤバイ……って) ドンッ おじさん「おい、君!」 京太郎「ひっ、も、申し訳ありません……」 京太郎(こ、これは……) 京太郎(全力疾走とか無理だろ!!) ハギヨシ「お疲れ様です。どうでしたか?」 京太郎「見ての通りです……怒りの視線を両手では足りないくらい浴びせられました」ハァハァ ハギヨシ「でしょうね。かなりの難易度だったと思います」 ハギヨシ「ですが、このくらいできなくてはあなたの望む力は到底手に入りませんよ」 京太郎「ハギヨシさん、いったいこれは……」 ハギヨシ「では今度は私がやってみせます」 ハギヨシ「よく見ていてください」ダッ 京太郎(いったいこれは何を……) 京太郎(!!??) 京太郎(す、すごい) 京太郎(オリンピックの短距離走レベルの速さで走っているのに) 京太郎(周囲の人が誰も目を向けていない!) 京太郎(いや、そもそも存在に気づかれていないのか!?) 京太郎(しかも、もう戻ってきた) ハギヨシ「ふぅ、良いですか京太郎君、これが我が萩原流奥義の一つ」 ハギヨシ「『孤塁立』です」 京太郎「弧塁……立」 ~冷やしトーカ無双~ ――合宿所―― 一「透華……」 純「すげぇ……」 京太郎(くぅ、あのタトゥーの娘の心配そうな表情がたまらん!) 京太郎(自らのそばにいた最愛の人が、急に離れていってしまった不安) 京太郎(それはより一層の独占欲という、ひどく歪んだものへと変わりかねないものだ) 京太郎(果たして彼女は、変わってしまった愛しい人に対してどのようなアクションをとるのか) 京太郎(このカプは要注目だな) 京太郎(しかし、こんなおいしい思いができるとは) 京太郎(これも全て師匠のおかげだ!) ~善光寺前での全力疾走後~ ――そば処「参タテ」―― ハギヨシ「人の知覚の中にありながら意識下より外れ孤立しているところ」 ハギヨシ「それを弧塁と呼びます」ズズッ 京太郎「弧塁、ですか」ズルズル ハギヨシ「先ほどの善光寺前では、その意識の空白地帯を見抜き、駆け抜けることで、誰の目にも留まることなく往復ができたのです」 ハギヨシ「日頃、衣様の周囲に控えている時も、みなさんの孤塁に立つことで自らの存在を悟られずにいるのです」ズズッ 京太郎「そんな神業、俺に習得することができるんでしょうか……」ズルズル ハギヨシ「私の見立てでは、あなたは萩原流を習得するに十分な才能を持ち合わせています」 ハギヨシ「あとはあなたの覚悟次第です」 ハギヨシ「どうしても成さなくてはならないことがあるのでしょう?」 京太郎「……そうでした、俺には譲れないものがあるんです」 ハギヨシ「それともう一つ、相手の孤塁を見抜く力以外にも、身につけてもらいたいものがあります」 ハギヨシ「広く捉えれば、これも気配を遮断するための方法であると言えます」ズズッ 京太郎「なんですか?」 ハギヨシ「孤塁立は、いうなれば相手に合わせて自らを消す方法」 ハギヨシ「それとは別に、自らが発している気配……気とでも言いましょうか」 ハギヨシ「それを包み隠す術を身につけてもらいます」ズッ 京太郎「気?」ズルズルッ ハギヨシ「人の体をめぐるエネルギーのようなものと言いましょうか」 ハギヨシ「科学的には名状し難いのですが……まあいずれ分かるようになるでしょう」 京太郎「その気ってやつを抑える術を身につけろってことですか」 ハギヨシ「包み隠す、というのには語弊がありましたね」 ハギヨシ「気を制御して、己の存在を空間に溶け込ませる」 ハギヨシ「天地と一つになる、と萩原の奥義書には記されていますが、まさしくその通りです」 京太郎「天地と……」 ハギヨシ「これらの奥義は、極めることによってあらゆる場面で驚異的な効果をうみます」 ハギヨシ「そして、萩原流の中でも会得できた者が最も少ない術でもあります」コチラソバユニナリマス ゴトッ 京太郎「」ゴクリ ハギヨシ「大丈夫ですよ、あなたならできます」トポトポ ハギヨシ「己を信じ、力を尽くせば必ずモノにすることができますよ」ズッ ~そして現在へ~ ――合宿所―― 京太郎(そして俺は手に入れた……) 京太郎(この身を死角に置き、天地と……空間と一つになる力を!) 京太郎(今の俺はかつての『須賀京太郎』ではない) 京太郎(百合のために生き、百合のために死ぬ、森羅万象と一体になった百合男子の戦士) 京太郎(ここからは『アトモスフィア京』の独壇場だぜ!!) 透華「こんなの…こんなの私じゃありませんわッ!! きゃっかですわ!」 一「透華…」 透華「これでは原村和とスタイルが違いすぎますわ」 一「う…」 京太郎(ふむ、冷やしトーカさんは元に戻ってきたみたいだな) 京太郎(しかし、和に対してみせる執着は、タトゥーっ娘の嫉妬を掻き立てているようだ) 京太郎(百合場面名鑑収録『誰にもあなたを渡さない』!!) 京太郎(ずっとそばに仕えていたはずなのに、想い人の心は会ったこともない女に釘付けのまま) 京太郎(彼女の心を手に入れようと努力を重ねる日々が続くが、どんなに手を尽くしてもその心が和から離れることはなかった) 京太郎(そしてついに恐れていたことが起こってしまう) 京太郎(和の所属する清澄が県予選の決勝で、透華が和と当たってしまうことになったのだ) 京太郎(そして実際に和と戦った透華は、和に対する執着をますます強めていってしまう) 京太郎(坂道を転がり落ちるように止められなくなった最悪の状況) 京太郎(そして一の思いは、いつしか純粋な恋慕から憎しみを伴うものになっていった) 京太郎(自分に手枷を課して心を縛っておきながら、そのことを気に止める素振りもなく他の女にうつつを抜かすなんて……) 京太郎(そして彼女の抑圧された欲望は、ある日ついに臨界点を超えてしまう……) 京太郎(もう少し嫉妬が高まれば、もしかすると下克上レ○プルートが実現するかもしれん……) 京太郎(帰ったら和をたきつけてみるのもアリだな) 京太郎(っと、もうこんな時間か) 京太郎(もう少しこのカプに注目したいところだが) 京太郎(そろそろ敦賀や風越の方にも行かないとな)スタスタ 京太郎(やはり風越のキャプテンと部長の関係、敦賀の果樹園カプも気になるしな)スタスタ 京太郎(それに、昨日の様子を見ていると他にも魅力的な組み合わせが存在するようだしな) 京太郎(最も気になったのが、次鋒戦メンバーの絡みだ) 京太郎(名門風越でレギュラーを勝ち取った吉留未春) 京太郎(昨年1年生のみのメンバーでレギュラーを奪い、全国へ進出した龍門渕の沢村智紀) 京太郎(そして幼い頃から雀荘で麻雀に親しみ、麻雀が生活の一部になっていた染谷まこ) 京太郎(立場は違えど、己の技量に揺るぎない自信とプライドを持っているメンバーだ) 京太郎(しかし彼女たちのプライドはある日突然打ち砕かれてしまう。全国へ進むための関門、県予選の決勝で) 京太郎(そしてあろうことか彼女たちの道を阻んだのは、役も満足に覚えていないド素人の妹尾佳織だった) 京太郎(大舞台で辛酸を舐めさせられた彼女たちであったが、その後4校合同合宿にて再び妹尾と合い見える機会に恵まれる) 京太郎(麻雀は確かに運の要素が少なくない。だから初心者でも上級者を打ち負かすことが十分に起こり得る) 京太郎(しかしそれはあくまで「ありえないことはない」という程度の可能性のものであって、やはり実力の差というものは大きい) 京太郎(今回こそはと、自らの中で名誉を挽回するためにリベンジマッチを挑む次鋒戦メンバーであった) 京太郎(しかし、ここでも妹尾が1位になるという、悪夢のような結果が待ち受けていた。完全に意気消沈する彼女たち) 京太郎(そしてその心の傷は、次第に妹尾への執着へと姿を変えてゆく) 京太郎(そして合宿最終日、彼女たちは最後の戦いを挑もうと妹尾を探していた) 京太郎(しかしそこで見つけた妹尾は、他に誰もいない個室でその肢体を無防備にさらけ出しながら眠っていた) 京太郎(それを見た3人の心の中に、ある濁った欲望が沸き起こる。3人は部屋に入ると、そっと鍵を占めた……) 京太郎(ちょっと飛ばしすぎだが、こんな感じの輪○ルートもアリだよな) 京太郎(問題はこれだけのメンバーが一堂に会することがこれから先にあるのかどうかということだ) 京太郎(しかし、次鋒戦メンバーは全員2年生なわけだから、来年もあるんだよな) 京太郎(「卒業するまで結局一度も勝てなかった」っていうくらいの火薬があれば) 京太郎(大爆発するという流れもより自然になりそうだし、これから先の展開にも期待が持てる) 京太郎(なんにせよ、ここにはまだまだたくさんのお宝が眠っているぜ!) ?「やはり、こういうことでしたか……」 京太郎「!?」 ハギヨシ「京太郎君……」 京太郎「し……師匠!? なぜここに!?」 ハギヨシ「あなたがうまくやれているかどうか気になったのですが、まさかこんなことに力を使っているとは」 京太郎「こ、これは、その」 ハギヨシ「京太郎君……今すぐに帰りましょう」 京太郎「……師匠、俺は、俺には譲れないものがあります」 京太郎「それが今の、この生き方です!」 京太郎「どうしても連れ帰るというなら、俺は……」 京太郎「あなたを倒してでも、己の道を貫きます!」ズアァァ! ハギヨシ「……これ以上、今のあなたを見過ごすことはできません」 ハギヨシ「龍門渕家のCB(コンバットバトラー)としても」 ハギヨシ「同じ志を持つ……百合男子としても」 京太郎「!?」 京太郎「し、師匠が……百合男子?」 京太郎(馬鹿な……そんなはずはない) 京太郎(百合男子は多かれ少なかれ、その瞳のうちに冥い“欲望”の光を灯している) 京太郎(今まで出会った奴らはみんなそうだった) 京太郎(そして……鏡越しに覗きみた、俺の瞳の中にも……) ハギヨシ「私もかつてはあなたと同じでした」 ハギヨシ「仲睦まじい女性達を眺めては、己の世界の中で百合の絵画を描く」 ハギヨシ「今のあなたと同じ行動に出たことも、1度や2度ではありません」 ハギヨシ「しかし、執事として龍門渕にお使えするようになってから、私は苦しむことになりました」 ハギヨシ「主君に忠誠を誓っているように見せかけ、裏ではとても好ましいとは言えない妄想を繰り広げている」 ハギヨシ「そして苦しみぬいた末、私はひとつの決断をしました」 ハギヨシ「それは、見方によっては“逃げ”と捉えられるかもしれません」 ハギヨシ「……いえ、実際は逃げたのです」 ハギヨシ「百合“男子”として生きることの、重圧から」 京太郎「!?」 京太郎「師匠……まさか、あなたは……」 ハギヨシ「百合男子の欲望の根源は、通常の男性の欲望と変わりません」 ハギヨシ「だから私は……自らその根源を絶つことを選択したのです」 ハギヨシ「執事として、生きるために」 京太郎(……去…………勢……したのか!?) 京太郎「師匠……あなたは……」 ハギヨシ「私は、自らが下した決断に対して微塵も後悔をしておりません」 ハギヨシ「ただ……何かを残すということができなくなってしまったことだけは、残念でした」 ハギヨシ「そんな私の前に、京太郎君、あなたが現れたのです」 京太郎「俺が……」 ハギヨシ「これは私の勝手な理想の押し付けです」 ハギヨシ「しかし、あなたには一流の執事としての道を、そして一流の百合男子としての道を歩んで欲しいのです」 京太郎「ま、待ってください! 執事はともかくとして、ここで退くことが百合男子としての行動だとは到底思えません!」 京太郎「手の届く範囲の百合の花を観察し尽くすことこそが、百合男子のあるべき姿じゃないんですか!?」 ハギヨシ「……百合男子とは、そもそもが歪な存在です」 ハギヨシ「男の身でありながら、女性同士の恋愛に惹かれてしまう」 ハギヨシ「その性質上、対象となる女性感の関係に影響を及ぼすような行動は避けるべきだと、私は考えます」 ハギヨシ「百合男子の手が加わってしまっては、それは真の百合の花と呼べなくなってしまうと思うゆえに」 京太郎「それは、分かりますが、しかし観察するということはっ」 ハギヨシ「周囲の流れに抗ってまで観察を行うということは」 ハギヨシ「たとえそれがどんなに完璧な隠匿のもとに行われていたとしても、影響を及ぼしてしまう危険性があります」 ハギヨシ「真の百合男子とは、周囲の流れに逆らわず、ただ身を任せてそこに在る者を指すのではないでしょうか」 ハギヨシ「その流れの中にある限りは、百合男子は周囲を構成する空間の一部になっていることができます」 ハギヨシ「そしてそれは自然な百合の花の背景となり得る」 ハギヨシ「しかし、今あなたがしていることは、その流れに逆らって、百合の花に力ずくでにじり寄ろうとする在り方のように見えます」 京太郎「!!」 ハギヨシ「京太郎君、あなたが求める“百合”とは一体なんなのですか?」 京太郎「俺は……俺には……」ガクッ ハギヨシ「ここから先はあなたが決めることですが……」 京太郎「師匠の言うことは、これ以上ないほどの正論です」 京太郎「それはいま、心の底から理解することができました」 京太郎「今日まで定まらなかった、自らの立つべき場所も分かりました」 京太郎「けれどっ……!」グッ 京太郎「この体がっ! 求めてしまうんですっ!」 京太郎「俺には男を捨てる勇気がない……」 京太郎「だから、師匠と同じ道を歩むことが……できない……」 ハギヨシ「京太郎君、今のはあくまで私の道です。私の生き方です」 ハギヨシ「私の言った言葉が理解できたのなら、あとは自分で、自らの生き方を選べる」 ハギヨシ「いや、“創り”だせるはずです」 京太郎「師匠……」 ハギヨシ「百合男子としてあなたに伝えなくてはならないことは、全て伝えたつもりです」 ハギヨシ「あとはあなたの選択に任せます」 ハギヨシ「こんなこと、本当はあってはならないのですが」 ハギヨシ「あなたに伝えたいことを伝えて、私も何か肩の荷が下りてしまったようです」 ハギヨシ「……なんだか、力が抜けてしまった気分です」 ハギヨシ「……今日だけは、執事としての役割を忘れることにします」 ハギヨシ「また会いましょう、須賀京太郎」スゥー… ********** 京太郎(俺は、どうしたら……)フラフラ 京太郎(咲……和……)フラフラ ?「龍門渕の執事さんは帰ったみたいっすね」 京太郎「!?」ガバッ ?「おお、さすがっすね。今の状態の私を認識できるなんて」 京太郎「あ、あんたは!」 桃子「鶴賀の副将、東横桃子っす」 京太郎(ど、どういうことだ!? いくら気が散っていたとは言え、まだ俺はアトモスフィア状態のはず……) 桃子「最近身につけたばかりの技が、完全にモノになっているとでも思ってたんすか?」 桃子「気配に関する分野では、私の方が経験も技術も圧倒的に上っすよ?」 桃子「それはもちろん、察することに関しても」 桃子「にわかは相手になんないっす」 京太郎「だけど……和は大会の時あんたのことが……」 京太郎「俺はその和にも察知されなかったはず……」 桃子「あれは本気で消しにかかっていなかったからっすよ」 桃子「先輩が見ているところで本気を出して、万が一先輩が耐性をつけてしまったら」 桃子「先輩に色々とできなくなってしまうじゃないっすか」ニコッ 京太郎(……っ、コイツ!) 京太郎(『百合っ娘(ホンモノ)』だ!) 京太郎(しかし、目的がわからない以上、素直に喜ぶことができない)ゴクリ 京太郎(今の今までアクションを起こさずにいて、ここで俺に接触する意味はどこにある?) 桃子「最初から、あなたがいることには気づいてたんすよ?」 桃子「どうせならお風呂を覗いているところをみんなの前に引きずり出して」 桃子「薄汚い野郎が二度と麻雀部に立ち入れないようにしてやろうと思ってたっす」 桃子「でも、あなたはお風呂を覗くような真似はしなかった」 桃子「それどころか、普通の野郎なら垂涎もののシチュに反応すらしなかった」 桃子「だけど、誰か二人以上が一緒にいる状態の時は、鷹の目のような鋭い視線を向けてくる」 桃子「そこで私は気づいたんっす」 桃子「コイツは『百合男子』だって、ね」 京太郎(完全に……バレているっ!) 京太郎(どうする……) 京太郎(今のこの状況、完全に向こうの掌の上だ) 京太郎(ヘタをしたら……消される) 桃子「そんなに警戒しないでくださいよ」 桃子「こっちは取引を持ちかけに来ただけっすから」 京太郎「……何?」 桃子「御宅の部長、竹井久とかいったっすね?」 桃子「あの女がうちの加治木先輩に近づかないようにして欲しいっす」 京太郎「……?」 桃子「訳がわからないって顔っすね」 桃子「詳しい説明は省くっすけど、あの女はうちの先輩にちょっかいを出しているっす」 桃子「だから、本格的に手を出される前に、何とかして欲しいんすよ」 京太郎「俺は……」 京太郎(師匠……俺は) 京太郎「そういったことに、加担することは……」 京太郎(やっぱり、師匠の教え……俺は守りたいです!) 桃子「これ、なんだと思いますか?」 京太郎(カメラ……はっ、まさか!!) 桃子「あんたが皆のことを観察してる、決定的証拠っすよ」ニヤッ 京太郎「」グッ 桃子「おっと、変な真似はしないほうが身のためっすよ」 桃子「すぐそこは清澄の部屋っす」 桃子「私が大声を出せばすぐに見つかりますし、たとえコレを奪って逃げたとしても、証拠は他にもあるっすから」 京太郎「くっ!」 桃子「それに、これはあんたにとっても悪くない話だと思うんすけどね」 京太郎「どういうことだ?」 桃子「私は先輩が無事なら他には何もいらないっす」 桃子「例えば、あの女を風越のキャプテンとくっつけようとするなら全力でサポートするっす」 桃子「そうすればあんたは目の前で百合ップルが誕生するところを見られるし、そこから先の観察も自由自在」 桃子「どうっすか?」 桃子「もっとも」 桃子「断れば……待っているのは迫害と追放っすけどね」ニコッ 京太郎「お……れは……」 ゴソゴソ 京太郎「ちょっと…!東横さんなにしてるんですか…!」 モモ「暴れないでくださいっす 変に暴れたらバラすっすよ」トントントン 京太郎「そ、そんな…う、羽毛…」 京太郎「うっ…」ガクン モモ「落ちたっすね…(確信)」 モモ「………京太郎さん…あなたの事が好きだったんすよ…」
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特別編 アラフォー道場 ※上の特別編の続きです あらすじ デッドエンドな京ちゃんに救いの手を差し伸べよう! 京太郎「……ん?なんだここ……道場?」 「ここは迷えるものが訪れる場所……」 京太郎「だ、誰だ!?」 はやり「その名も……牌のお姉さん道場!!」道着&竹刀装備 健夜「……どーも」ネコミミ&スク水装備 京太郎「…………夢か」 はやり「ちょっと!!いきなり何言ってるの!?」 京太郎「夢だ。だってアラフォー道場って看板が上にあってそんなこと言える訳ないし」 はやり「え?あぁ!?何この看板!?ちょっと!!どういうこと!?」 健夜「もうどうでもいいじゃん……私なんか、『ブルマ?いやいやこっちでしょ!』とか言われていい年してネコミミとスク水だし……」ズーン はやり「すこやん暗くならない!!私達まだアラフォーじゃないから!!その恰好もまだいけるって!!」 健夜「いいよ……大体なんなのブルマ枠って……そんなの咏ちゃんとか良子ちゃんがやればいいのに……」ブツブツ はやり「あー……とりあえず落ち込み始めたすこやんはほっといて、ようこそ我が道場へ☆」 京太郎「ど、どうも」 京太郎(うわ、きっつ) はやり「ここはデッドエンドった君を救うための場所です!!」 京太郎「あー……やっぱデッドだったんですね俺」 はやり「そうそう、君の今回の死因は……まぁいいとして☆」 京太郎「それよくないでしょ!?そこをどうこうするアドバイスとかする場所じゃないんですか!?」 はやり「それが……うん、ぶっちゃけ君じゃどのルートも入れないね☆」 京太郎「そんな馬鹿な!!和ルートも長野おもち制覇ルートも全国おもちハーレムルートも無理だって言うんですか!?」 はやり「あ、ロリコン副会長との友情ルートならいけるっぽいよ?」 京太郎「社会的デッドエンドじゃないですか!!」 はやり「まぁ落ち着いて☆そんな君を救うための道場だからね☆」 京太郎「アラフォー道場が?」 はやり「次そう呼んだら潰すぞ」 京太郎「さーせん。で、その……この道場はそんな役割が」 はやり「そうそう、という訳で、解決策を発表しまーす☆」 京太郎「おお、アドバイスとかじゃなく具体的な解決策ですか!是非教えてください!!」 はやり「はやりんルートに入ろう☆」 京太郎「……はい?」 はやり「だから、女子高生はスパっと諦めて、はやりんルート☆」 はやり「今ならなんと、これにサインするだけでルート確定だよ☆」婚姻届、はやり記入済み☆ 京太郎「……そんなの人生の墓場ルートじゃないですかー!?助けて!!そこのネコミミスク水の人!!」 健夜「……仕方ないなぁ……はい、これで少なくともそっちのルートからは逃げられるよ」婚姻届、健夜記入済み 京太郎「こっちも駄目だー!!」 理沙「……こっち!!」婚姻届、理沙記入済み 京太郎「増えた!?」 はやり「さぁ」ズイッ 健夜「さぁ」ズイッ 理沙「……早く!!」ズイッ 京太郎「う、うわあああああああああああああ!!!」 京太郎「……っはぁ!!死んでられるかー!!」ガバッ 照「あ、おかえりー」 京太郎「照さん!?」 照「とりあえずギュルって引き戻しといた」 京太郎「よ、良かった……あのままえらいことになるとこだった」 照「そう……とりあえず」 京太郎「はい?」 照「お菓子が切れた。作って?」 京太郎は、照専属シェフルートに確定した!! カンッ!!
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特別編 執事と着物 ※本編との関係も一切ない特別編です。普段と違う形で書いてます ※大体色んなとこを参考にしたりイメージだったりなので、理解できるかどうかは個人差があります ※深夜テンション。ちょっと変態度高めでマニアックな内容なので、苦手な方はスルーでお願いします 1月1日 龍門渕邸 京太郎「さて、みんなはどれくらいかかるかな」 ハギヨシ「あけましておめでとうございます、京太郎君。今年もよろしくお願いします」 京太郎「ハギヨシさん、あけましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします」 ハギヨシ「他の皆様は着替え中で?」 京太郎「えぇ。まさか清澄の5人の分の振袖を用意してくれてるとは思いませんでしたよ」 ハギヨシ「皆様との初詣、衣様たっての希望ですからね。誘ったからにはそちらの用意も当然です」 ハギヨシ「お嬢様や衣様、国広さん、井上さん、沢村さんも振袖ですからね。もっとも、井上さんはかなり抵抗していたようですが、お嬢様と衣様には敵わなかったようで」 京太郎「はは、それは勝てませんね」 ハギヨシ「まぁ慣れないのでしょう。着物というのは慣れないと難しいものですから」 京太郎「1人で着るのは現代人には難易度高いでしょう」 ハギヨシ「着付けも中々に難しいもので。一応私もできますが、流石に清澄の方々もいる前でやるわけにもいきません」 京太郎「悪戦苦闘してそうですよね。こっちまで声が聞こえてきますし」 ハギヨシ「えぇ。でもまぁ、着物も良いものです」 京太郎「ですよねぇ」 ハギヨシ「特に下に何も付けないという点。まずこの情報だけでも素晴らしい」 京太郎「全くですな。俺はこの情報を知って、一時期は三尋木プロの試合を追っていましたよ」 ハギヨシ「あの方は着こなしを見る限りその辺りは熟知しているでしょう。実際どうなのか、私でも分かりません」 ハギヨシ「たまに着る程度の方でしたら見破れるのですが」 京太郎「下着のラインが出るってことですよね」 京太郎「そういえば、今回ウチのみんなの分の振袖を用意してもらいましたが、まさか下は…」 ハギヨシ「残念ながら、今回私は振袖の用意をしただけで、その辺りは関わっていません」 ハギヨシ「おそらく、着物用の下着も用意されているでしょう」 京太郎「そう……ですか……」 ハギヨシ「まぁ、ポジティブに考えれば脱がす楽しみが増えるというものです」 ハギヨシ「何より、着物の楽しみはそれだけではない」 京太郎「ですねぇ……いつもと違うという非日常感。はっきり見える体のライン。日本人で良かったと思うことのひとつでもありますよ」 ハギヨシ「えぇ。さらに、髪を上げる方も多いですからね。普段見えないうなじが綺麗に見えるのもまた良いものです」 京太郎「うなじ、いいですよねぇ」 京太郎「そういえば……俺、着物ならぜひ一度やってみたいことがあるんです」 ハギヨシ「あぁ、アレですね」 京太郎・ハギヨシ「「着物の帯クルクル」」 ハギヨシ「正式名称は帯回しとか。あのわざとらしさ、いいですよねぇ。実際には着物の構造的に女性側の協力も必須ですが」 京太郎「でも、やっぱりロマンですよね」 ハギヨシ「えぇ。和の心ですね……誰もが一度は憧れますよ」 京太郎「こう、帯を緩めて着物をはだけさせての半脱ぎも捨てがたいんですけどね」 ハギヨシ「『和服というのは、脱がせたくなるような物が一番』、和服を作り続けている人間国宝の言葉だそうです」 京太郎「全く、素晴らしい言葉ですね」 ハギヨシ「さて、京太郎くん。今日は何月何日ですか?」 京太郎「何って……1月1日の正月ですよね」 ハギヨシ「そう、お正月です。お正月、着物……ここから連想されることと言えば?」 京太郎「……そうか……姫初めですか」 ハギヨシ「正解です」 ハギヨシ「着なれない着物を着ての初詣、しかし緩む帯。直そうとするも徐々に徐々に着物は肌蹴ていき……」 京太郎「最後は着物のまま……いいですね」 ハギヨシ「綺麗な着物を汚す背徳感、ふふふ、素晴らしいものです」 京太郎「着物って、素晴らしいですよねぇ」 ハギヨシ「全くですね。さて、そろそろ皆様の着付けも済んだようですよ」 京太郎「それじゃあ俺達も行きますか。みんなの着物も楽しみですし」 ハギヨシ「えぇ、私もです」 決して忘れてはいけない和の心 形がどうであれ、2人はそれを持ち続けているということだろう 要するに、着物って素晴らしい カンッ!!